TGC ×SDGS ファッションから社会性をも発信！

2020年2月29日(土)、『第 30 回マイナビ東京ガールズコレクション 2020　SPRING/ SUMMER』が開催された。聖地代々木で再び開催となる 30 回目の『東京ガールズコレクション』（以下TGC）だが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、史上最大規模の無観客ファッションイべントとなった。そして今回の模様は、「LINE LIVE」を通してネット配信され、観客に届けられた。

第 30 回マイナビ東京ガールズコレクション 2020　SPRING/ SUMMER／ACTRESS PRESS編集部

兼ねてからSDGSを推進してきたTGCは、今回、環境省とコラボレーションして、社会が抱える課題解決に向けた数々の取り組みに力を入れた。その一つが、限定エコバックだ。ご来場の観客に配る予定だったそう。プラスチックごみを減らす狙いで、今年7月に始まるレジ袋有料義務化に伴い、エコバックを作成。

『第 30 回マイナビ東京ガールズコレクション 2020　SPRING/ SUMMER』でのエコバック／ACTRESS PRESS編集部

モデル17名が取り組むSDGSについての電子パンフレットもあり、一人一人の社会課題解決への取り組みについても読むことができる。

第 30 回マイナビ東京ガールズコレクション 2020　SPRING/ SUMMER／ACTRESS PRESS編集部

人気ブランドSNIDELが、#SNIDEL_FOR_SUSTAINABILITY の考えのもと、「エシカル」や「ダイバーシティ」に着目したステージも行われた。自然豊かな綺麗な映像とともに、「持続可能」、「美しい世界」、「リサイクル」、「共存」、「未来」、「希望」などの文字が映し出せれて、モデルがしなやかにウォーキング。世代を超え、多国籍モデルも多数登場し、ネイチャーカラーでふんわりとした洋服を身にまとった。「TGC サステナブル STAGE 」という形で、ファッションブランドが展開している循環型ファッションショーも実施された。

earth music&ecology のショーでは、オーガニックコットンやぺットボトルをリサイクルしたポリエステルを使用した衣装を披露。モデルは皆、ピクニックに行くような春気分を味わえそうな洋服を着て、お花を持って登場。お花香るようなポージングもあり、可愛らしいステージだった。earth music&ecologyでは、全国の店舗やオフィスからゴミ箱をなくし、ゴミの捨て方について考える「ゴミ箱ゼロチャレンジ」といったサステイナブルな活動を行っている。また、人と環境にやさしい「エシカル」の観点から、エコバッグも販売している。

H&Mのショーでは、SDGS 12 番「つくる責任・つかう責任」に関わる取り組みとして作成された、回収した古着をアップサイクルしたデニムコレクションやリサイクル素材を使用した商品が登場。リサイクルされたとは言われても気がつかないようなカッコよくて素敵な衣装を身にまとっていた。H&M では、世界的なプロジェクトとして、サステナブルな未来への第一歩となる衣料品回収サービスも行っている。ブランドに関わらずどんな衣類でも対象で、回収された衣料は、別アイテムとしての再利用や繊維リサイクルされるのだ。

SDGSの推進は、TGCステージのみならず、バックヤードでも行われていた。出演者へのケータリングは、2月14日(金)の小泉進次郎環境大臣の定例会見でも連携が発表されたドギーバッグが採用された。SDGS 12 番「つくる責任・つかう責任」に対して、プラスチックゴミと食品ロス削減に取り組んでいるのだ。

トラウデン直美・Instagramより

今回のTGCを受けて、改めてファッションの力を感じた。ファッションを通して、可愛いやカッコいいと感じることはもちろんだが、そこから社会性を考えることもできるのだ。実際、SDGsには多くの企業が賛同し、政府とともに環境負荷のない世界を作ろうとしている。だがSDGSは未だ普及が進んでいない。そんな中で、今回のTGCのような大規模イベントが、SDGSを発信して、理解促進や啓蒙活動に努めたことは、非常に意義があることだと感じた。今後も、TGCの社会的側面にも着目していきたい。