『ミス日本2022』グランプリに河野瑞夏(国際基督教大)摂食障害乗り越え、夢はメディア立ち上げ <リポート①>【Reporter:蕪城結】

『ミス日本2022』グランプリに河野瑞夏(国際基督教大)

第54回ミス日本コンテスト2022』が2022年1月24日に京王プラザホテルで開催された。
日本女性の美の最高位であるミス日本グランプリに見事輝いたのは、国際基督教大学3年の河野瑞夏(こうの・みずか/21)。

ミス日本コンテストは、「日本らしい美しさ」を磨き上げ、社会で活躍することを後押しする日本最高峰の美のコンテストで、さまざまな分野で活躍する女性たちを50年以上にわたって輩出してきた。ファイナリスト11名は、半年に渡る勉強会・研鑽を積み、最終審査に臨んだ。

ミス日本 着物審査

最終審査当日は、着物姿での自己PR、ドレスとスポーツウェアのそれぞれで質疑応答が行われた。それらを総合的に審査し、内面・外見・行動の3つの美を兼ね備えた女性に賞が贈られる。

【審査風景:着物審査】

『ミス日本2022』グランプリに河野瑞夏(国際基督教大)着物

着物審査では、古風で艶やかな花柄が印象的な赤い振袖を纏い、自己PRを堂々と披露した河野。
“Beauty begins the moment you decide to be yourself.”(美しさはあなたが自分らしくいると決めた瞬間に始まる。)というココ・シャネルの言葉を得意の流暢な英語で引用し、2年前から摂食障害と闘ってきた経験を糧に、現在はSNSを通じてポジティブに情報発信していることを語った。「以前の私のように希望を見失っている人々が、再び自分の魅力に気づき、社会とつながるきっかけをメディアから創りたい」と言い、強い意志が光った。

【ドレス審査】

『ミス日本2022』グランプリに河野瑞夏(国際基督教大)ドレス

ドレス審査では、他のファイナリストらが明るい色のドレスで彩る中、河野はスタイリッシュで大人っぽい紺色のドレスで個性的に。

『ミス日本2022』グランプリに河野瑞夏(国際基督教大)ドレス

質疑応答では、1986年度ミス日本グランプリで現在は日本画家としてご活躍の審査員、中村麻美氏からの質問に答えた。「あなたのこれまでの人生の歴史の中から名場面・エピソードを1つ選んで教えてください。」という質問に対し、高校3年生のときにダンスの一人舞台を初めて任されたエピソードを披露。「あまり自信はなかったが、ぜひ私にやってほしいという言葉を受けて自分自身で公演をつくることを決めた。それから3か月間、毎日鍛錬し自分だけにしかできない舞台を考えた。それはプロジェクターを体に投影するという、これまで部活で全くやってこなかった表現だった。」と語った。私らしく表現するということが、摂食障害を乗り越えて伝えようとする今の自分の軸になっている、と自身の経験を振り返った。

【スポーツウェア審査】

『ミス日本2022』グランプリに河野瑞夏(国際基督教大)スポーツウェア

スポーツウェア審査では、高校・大学でのダンス経験と、この日までのトレーニングで養った健康美を披露。

『ミス日本2022』グランプリに河野瑞夏(国際基督教大)スポーツウェア

合わせて、質疑応答では、審査員でキャスター・エッセイストとしてご活躍の南美希子氏からの質問に答えた。「今、あなたが最も発信したいことは?」という質問に対し、「自分らしさから広がる可能性について発信したい。」と返答。続けて、「摂食障害を経験したとき、深い孤独を感じた。今は同じように孤独を感じている人を少しでも救いたいという思いから、自分らしさを受け入れること、そこから広がる可能性について発信している。自分を改めて見つめ直すことで自分が社会につながるきっかけを見つけだすことができた。その上で大切なのは俯瞰的に自分を見つめること。」と話した。ファイナリストの勉強会を通じて一流の先生方からの様々な教えからこれまで自分では気づけなかった可能性が見えてきたといい、「新しくメディアを立ち上げたい。様々な視点から自分を見つめ直すきっかけをつくっていきたい。」と今後の展望を語った。

【授賞式】

『ミス日本2022』グランプリに河野瑞夏(国際基督教大)

名前が呼ばれると驚きながらも満面の笑みを見せた。ステージ中央に立つと目を潤ませる場面も。

『ミス日本2022』グランプリに河野瑞夏(国際基督教大)

他の出場者や観客もお互いに拍手で祝福していて、競い合うコンテストではあるが、あたたかいムードに包まれていたのが印象的だ。

『ミス日本2022』グランプリに河野瑞夏(国際基督教大)
大会委員長・和田あいより表彰。

松井朝海
昨年2021グランプリ松井朝海がプレゼンターで登壇(中央)

属安紀奈,横山莉奈,河野瑞夏,成田愛純,佐藤梨紗子
左から
ミス日本「海の日」:属安紀奈(大妻女子大学4年)
ミス日本「水の天使」:横山莉奈(東京医科歯科大学3年)
ミス日本グランプリ:河野瑞夏(国際基督教大学3年)
ミス日本みどりの女神:成田愛純(モデル・女優)
ミス日本ミス着物:佐藤梨紗子(大妻女子大学3年)

【囲み取材】

『ミス日本2022』グランプリに河野瑞夏(国際基督教大)

授賞式終了後にステージにて実施。

――ミス日本グランプリ受賞を一番先に報告したいのは誰ですか?

 ずっと私のことを支えてくれた母に感謝の気持ちを伝えたいと思います。


――ここ2年間全世界がコロナに向かい合った年でした。あなたご自身にはどんな影響がありましたか?

 オンラインから得られる恩恵がとてもありました。当時私は摂食障害で体力がなく、学校に行くこともままなりませんでした。しかし、学びを続けられたのはオンライン授業っていう居場所があったからだと思います。

――普段の「美」の秘訣や心がけていることはありますか?

 感謝の気持ちを忘れないことだと思っています。食生活では悩むこともあったのですが、食べ物に感謝して一緒に食べる人とその時間を共有することを心がけています。


――現在は摂食障害とどのように向き合っていますか?

 そういう弱い自分も自分だと受け入れたことで、だいぶ前に進めるようになりました。


『ミス日本2022』グランプリに河野瑞夏(国際基督教大)

――そのドレスにした理由はありますか?

 実は、このドレスはドレスを作った方が私たち(ファイナリスト)に合わせて選んでくださったもので、私たちもサプライズでした。本当に皆さんの個性が輝くような色、スタイルのドレスを選んでくださって、すばらしいなと思いました。11着並んでいた中で「私はあれがいいな」と思っていたものが自分のドレスだったので、それがすごく嬉しかったです。


――将来の夢にジャーナリストとありますが、詳細を教えてください。

 もっとメンタルヘルスについて考える機会を増やしたいと思っています。そのときに大切なことは、自分自身を知ること、自分を俯瞰的に捉えることなので、自分が思ってもみなかったような視点を得られるようなメディアをつくっていきたいと思っています。


ミス日本

▼囲み取材動画はコチラ

蔓延防止等重点措置の発令による新基準にも対応していくため、急遽会場を変更しての開催となり、政府自治体、関連団体発表の各種ガイドラインに従い、消毒、検温、マスク着用、ソーシャルディスタンスの保持を徹底し、多くの報道陣による注目度の高いコンテストであった。

ミス日本
ミス日本・公式サイト:
https://www.missnippon.jp/

蕪城結(日本大学)ACTRESS PRESS REPORTER(アクトレスプレスリポーター)

◎ACTRESS PRESS編集部
◆取材・文:蕪城結(日本大学)
◆コーディネート:Scketto:https://twitter.com/scketto1

Scketto(スケット)は、アナウンサー・マスコミ業界に就職を目指す大学生が記者・リポーターで参加するプロジェクト。https://actresspress.com/category/report/

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