「自分の感情が動いたままに演じたい」元乃木坂46・桜井玲香が描く、クラシカルでロマンチックな世界観 【Reporter:梅田陽菜】

1940~1950年代の“ミュージカルの黄金期”に数々の名作を生み出したミュージカル音楽の巨匠、ロジャース&ハマースタイン。彼らが手掛けたミュージカルのリバイバル版、それが「FLOWER DRUM SONG」。

サンフランシスコのチャイナタウンを舞台に、ショービジネス界で生きる人々の“夢“や”愛”を描くこの作品は、日本青年館ホール(東京、4月23日~4月27日)、森ノ宮ピロティホール(大阪、4月29日~4月30日)で上演予定。稽古場での取材会が都内で行われ、古屋敬多・桜井玲香をはじめとする豪華キャストが登壇した。

取材会では一部シーンやダンスナンバーが披露され、元乃木坂46で女優の桜井玲香は、その透き通るような歌声や大きな瞳、圧倒的な存在感で取材陣を虜にした。

【プロローグ パート1】

ミュージカルの幕開けナンバーで、作品を通して繰り返し歌われていく「1億の奇跡」というテーマ曲でもあります。父の死を乗り越え、新天地を目指すメイ・リー(桜井玲香)。シーンスタートと共に舞台中央に一人で立ち、真っすぐに前を見つめ堂々と歌い上げる桜井さんの姿が印象的でした。




【グラント通り】

マダム・リャン(彩吹真央)が閑古鳥の鳴いている“ゴールデン・パール・シアター”をワン・チー・ヤン(石井和孝)の反対を前に“クラブ・チャプスイ”として新しく生まれ変わらせるために説得するシーン。出演者のほとんどが出演する、本作一の賑やかなダンスナンバーということもあって、桜井の顔にも無邪気な笑顔が見られます。舞台が無くても活気あるチャイナタウンを想像させてしまうパフォーマンスは、思わず体が動いてしまうほど、リズミカルで楽しいものでした。





【日曜日】

ワン・ター(古屋敬多)によるバラードで、プロポーズともとれるような甘い雰囲気に思わずうっとり。薬指に指輪をはめる仕草や、肩を並べ座ったり、膝枕をしたり…さらにはキスシーンも盛り込まれており、その度に嬉しさや戸惑いや照れを表現する桜井の表情には、見ている者を魅了する力がありました。

二人が中心のラブコメディということで、コメディ要素も期待される本作。そんな中、他とは雰囲気の異なるこのシーンが、作中でどのような位置づけとして描かれるのか…。ストーリーの展開にも注目です。






【囲み取材】

冒頭、役と自分との共通点を聞かれると、桜井は「自分が思うままに、役を作ろうとあまりせずに、自分の感情が動いたままに動いたらきっとメイ・リーという女の子ができるのかなと思いつつ…」と前置きし、今のメイ・リーに対するイメージは「昔ながらの、1,2歩男性の後ろをついていくような女の子らしい女の子」と表現。一方、自分自身には「普段ゆったり動作をできないというか…ペペペッと動いちゃうところがある」ということで「もうちょっと女性らしく、女の子っぽく作っていきたい」と語った。

途中、「んー」と悩みながら回答する場面もありましたが、他の出演者がフォローをして笑いを誘うなど、稽古場の和やかな雰囲気も感じられた。


作品の見どころについては、本作品のオリジナル版は「クラシカル要素が強い作品」だが、今回上演するリバイバル版は「ラブストーリー要素が強くなっている」と説明。さらに、普段舞台をあまり見ない人にもお勧めできるような、分かりやすいストーリーになっていることを明かし、オリジナル版があるからこそ残された「クラシカル要素」が魅力と語った。

また、リチャード・ロジャース作品へ4本目の出演となる石井一孝は、今回特に感じることとして、「キャスティングが見事にはまっている」ことを挙げた。

中でも古屋敬多と桜井玲香二人の初々しさは「日々輝きが増している」そうで、本作のさらなる飛躍と、本番への期待感を残し、取材会は締めくくられた。

【公演概要】


出演者:古屋敬多、桜井玲香、フランク莉奈、砂川脩弥、泰江和明、八十田勇一、彩吹真央、石井一孝ほか
会場:日本青年館ホール(東京)4月23日~4月27日、森ノ宮ピロティホール(大阪)4月29日~4月30日
公式サイト:
https://flowerdrumsong.jp

【あらすじ】

サンフランシスコのチャイナタウンに住むチャイニーズオペラの俳優ワン・チーヤン(石井一孝)の息子、ワン・ター(古屋敬多)。今日も親子でゴールデン・パール・シアターにたつが観客はまばら。そこへ中国で父親が亡くなり、父親の友人であるチーヤンを頼って中国からサンフランシスコにやってきたメイ・リー(桜井玲香)。人手不足で娘役を演じていたターは、これ幸いとリーに役を引き継ぐ。

ターは、シアターを西洋風のナイトクラブに変えようとしていた。ナイトクラブのショーを観たマダム・リャン(彩吹真央)はシアターをテコ入れし、新たに「クラブ・チャプスイ」として生まれ変わらせる。「クラブ・チャプスイ」で満を持して上演されるショーの衣裳を全部タダでつくった代わりに主演の座を手にしたハーバード(泰江和明)があまりにも役に合っていなかったのをみたチーヤンは自分で舞台の上へ。大成功を収める。

リーは着飾ってターのもとへ行くが、ターは相変わらずナイトクラブのスターであるリンダ・ロウ(フランク莉奈)に夢中。傷ついたリーはクラブを抜け出し、フォーチュン・クッキー・ファクトリーで働くことに。そこで出会ったチャオ(砂川脩弥)に「一緒に中国に帰ろう」と愛を告白される。父親からもらった形見のドラムを売り、旅費の足しにすることを決意する

チーヤンの友人チン(八十田勇一)からリーの居場所をききだし、質屋にドラムが売られたことを知ったターは…


◎ACTRESS PRESS編集部
◆文:梅田陽菜(慶應義塾大学)
◆コーディネート:Scketto:
https://twitter.com/scketto1
アナウンサー・マスコミ業界に就職を目指す大学生が記者・リポーターで参加するプロジェクト。
アクトレスプレスでの過去リポート記事。
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