女優の吉田伶香(よしだ りょうか/21)が本日5月28日、東京都内シネスイッチ銀座 スクリーン1にて、主演映画「こわれること いきること」の公開記念舞台挨拶に登壇。共演の藤田朋子、メガホンをとった北沢幸雄監督と共に作品について語った。

左から:藤田朋子、吉田伶香、北沢監督/映画「こわれること いきること」公開記念舞台挨拶にて。出資会社・三英堂商事から贈られた花束を手に。(2023年5月28日、東京都内)
本作は、東日本大震災で家族全員を失い、深い贖罪の意識と喪失感に苛まれていた遥(吉田)が、職場の介護施設での出会いを通して成長していく姿が描かれているヒューマンドラマ。
今回、どのような役作りをしたか訊かれると、主人公の遥を演じる吉田伶香は「(介護士が介護施設の入居者と)どのように接しているのかを勉強したのと、期間中はナイーブなシーンが多かったのもあって、あまり人と話さなかったです」と打ち明け、「“無”じゃないですけど、通常よりは落ちていた気がします。役にやられていましたね」と明かした。
そんな吉田について藤田朋子は「伶香ちゃんは今ニコニコしていますし、(撮影時も)衣装を脱いだら笑ったり、TikTok で遊んだりしていたんですけど(笑)、現場では表情がない暗い感じの場面がとても多かったので、今それを思い出しました」と回顧した。
続けて、演じた役と自身が似ていると思う点を訊かれると、吉田伶香は「落ち込んだときや嫌なことがあったときの落ち込み方が似ているなというか、シャットアウトするようなところは似ているなと思いました」と答え、北沢監督が「私は(吉田の)明るいところが似ているなと思います。もともと遥も明るい子なので、それが役にも生きていると思います」と評価すると、藤田も「明るいところが似ているから、暗い演技をしているときの落差があっていいんだと思います」と分析した。
さらに、撮影時のエピソードを訊かれると、吉田伶香は「帰りに車に乗せてもらって恋バナとかしながら帰らせていただいたりしました(笑)」と振り返り、藤田も「(夫役の)宮川一朗太くんと一緒に車に乗って、一朗太くんを駅で下ろして、そのあとに(吉田の)家まで送り届ける間にお話ししました」と笑顔で明かした。
また、本作を 7 年ほど温め、オリジナル脚本とエンディングテーマの作詞を手がけた北沢監督は、作品に込めた思いを訊かれると、「超高齢化社会で介護従事者というのは重要な仕事だと思いますが、大変な仕事なのに社会的にあまり恵まれていない感じがするので、その方たちを主役にしてリスペクトする映画を作りたいと考えたのが最初です」ときっかけを明かし、「7 年前に企画しまして、友人に製作会社を紹介していただき、コロナ禍の前にクランクインする予定でしたが、コロナで 1 度延期になりまして、無理かなと思ったんですけど、おかげさまで去年、改めてやれることになったんですけど、そのとき(コロナ禍前)だったら吉田さんが主役じゃなかったと思うので、逆に延びてよかったなと思っております。(吉田伶香と)会えてよかったですね」と笑顔を見せた。
そして、本作のテーマにちなみ、“自身の人生において出会えてよかったと思う人”を聞かれると、吉田伶香は「両親ですね。父と母がいなかったらこの仕事をしてなかったと思いますし、今ここに立つこともできなかったと思います。人生のきっかけが両親ということがすごく多いので、両親のもとに生まれてきてよかったなという思いが 1 番大きいかなと思います」と吐露して目を潤ませた。
最後に、PR コメントを求められると、吉田伶香は「最後に暗い気持ちではなくて、背中を押されるような映画なので、前に進む気持ちになっていただけたらなと思いますし、感情と服装がリンクしているので、そこにも注目していただけたら嬉しいです」とアピールした。
映画「こわれること いきること」は、シネスイッチ銀座ほかにて全国順次公開中!
◎ACTRESS PRESS編集部