女優・米倉涼子(よねくら りょうこ)が7月3日(米国・現地時間)、ニューヨークのブロードウェイでミュージカル『シカゴ』の大舞台へのカムバックを5年ぶりに果たした。
“米倉涼子、 ブロードウェイに舞い戻る”と英語で書かれたビルボードが街行く人の目を引きつける。ミュージカル『シカゴ』は、1920年代の禁酒法時代の米シカゴを舞台に愛人を殺した悪女ロキシーが悪徳弁護士とマスコミの力を借りて無罪を勝ち取っていくまでを軸に描く。米演劇界で最高権威トニー賞で6部門を獲得、 大ヒットを記録し20年以上のロングランを開始。
客席では様々な人種がバランス良く混ざったブロードウェイの一般的な光景。 笑いなどの反応もいつもと同じタイミングで沸き起こる。そして、米倉涼子がソロを歌い終えると自然と客席が歓声に包まれた。
南アフリカから観光で訪れたという一家は「素晴らしかった。もう何年も英語で演じているかのよう」と感想を口にした。 終演後に会見に応じた共演者アムラ=フェイ・ライトは「今回、リョウコはアクセントをとにかく努力したことに疑いの余地はない」と力説。
弁護士ビリー役を演じたトム・ヒューイットは「彼女は美しいだけではない、 文化という国境を超えて輝ける才能を兼ね備えている。
幼少期から慣れ親しんだ言葉を使っていないのにもかかわらず、 ユーモアで感情表現に富んでいるのがとても素晴らしい」と絶賛する。
終演後の取材で、 米倉涼子自身は「前回はチャレンジャーの気持ちだったが、 今回はちゃんとやりきらないと意味がないと思っていたので、違う緊張感があった。 今になって感動してきた」と初日を終えての気持ちを整理するように語った。そして、観客の反応が冒頭から気になっていたと言い、 「反応が聞こえてくるだけで、 それが背中をおしてくれた」と振り返った。
ブロードウェイでは人種差別や偏見を撤廃した配役に重きが置かれアフリカ系アメリカ人(黒人)や中南米系(ヒスパニック)が様々な役柄を演じる機会は多い。一方で、 アジア人は極めて少ないのが事実。 そんな中、 ブロードウェイを代表する演目『シカゴ』にアジア人が主演する意義は多大だ。ブロードウェイに2度にわたり主演する米倉涼子がアメリカ演劇界に残した功績は大きい。来月行われる日本での凱旋公演では劇場街常連となりつつある逸材の実績と経験とが生かされたものになるであろうことがみてとれた。
ブロードウェイ出演期間は7月13日までアンバサダー劇場にて♪
【ブロードウェイミュージカル『シカゴ』20周年記念ジャパン・ツアー】
2017年8月2日~8月13日東京・東急シアターオーブ 渋谷ヒカリエ11階
(生演奏、 英語上演、 日本語字幕あり/アメリカ・カンパニー来日公演)
お問合せ:シカゴ事務局 0570-08-9920
www.chicago2017.jp
・PHOTO: Masahiro Noguchi(NEW YORK)
◎情報提供:株式会社キョードーメディアス