TGCプロデュース smash. NIGHT「このまま時が止まればいいのに」 【Reporter:井上智尋】

TGCプロデュース smash. NIGHT

東京ガールズコレクションTGC)がプロデュースするオンラインイベント「smash. NIGHT」の配信は12月10日19時から行われた。このコンテンツはsmash.というアプリケーションをインストールし、会員登録をすると視聴することが出来る。中でも特徴的なのはスマートフォンの画面を横向きにせずとも高画質映像を堪能出来るところだ。またライブ配信時のレコードはアプリケーションの仕様上不可能になっているので、一度しか味わえないライブ独特の高揚感を味わえる。

普段は和気藹藹、ライブはエモカッコいい 雨のパレード

2013年にデビューを飾った雨のパレードが最初に歌った曲は「Summer Time Magic」である。現在の季節は冬であるが、ライブで熱唱する姿は私たちに熱い夏の雰囲気を想起させてくれた。「このまま時が止まればいいのに」という歌詞は特に「smash. NIGHT」にピッタリであった気がした。ステージ全体は青色や黒といった色に包まれていたが、⼤澤実⾳穂(Dr.)の赤色のハイネックの服装がその中で映えていた。


4曲目の「IDENTITY」では大人カジュアルブランドの「HARE」とコラボした。青や黒といったステージの色に合う服装に身を包んだモデルたちが登場し、落ち着いたロングスカートが印象的であった。


トーク時にて福永浩平(Vo.)が「新世界の神となる」というユニークな抱負を言っていた。先の透き通った歌声からは予想出来ない面白い回答、またメンバー全員が素敵に笑う姿はとても微笑ましかった。

同世代から人気を集める15歳美声アーティスト 久保あおい

ライトが照らし、赤い花々がステージに並ぶ中「さよならって君は⾔ったけど」を歌う久保あおいは物凄く凛々しかった。シャツがライトで何色にも光っていた姿は、彼女の大人っぽう歌唱力と、また普段の可愛らしさを表しているようであった。

初めて世に出す新曲「きっと⼆⼈で⼀つ、貴⽅と⼀つ」はティーンや大人、どの層でも共感してしまうミステリアスな雰囲気の歌詞である。長くてカールしたヘアスタイルから少し見える鼻先や口元からは懸命に気持ちを伝えようとする感じが垣間見られる。
歌の最後に挨拶する久保あおいの声は歌よりも少し幼く、15歳という若い年の可能性に気付かされた。

ポップなPVと痛切な感情表現のギャップが堪らない ツユ

礼衣(VO.)は白く清純な感じの服装に、傘のようにふわっとしたロングパンツで登場した。ライトは背景の大量の傘をそれぞれの色に照らしていた。「やっぱり⾬は降るんだね」のサビ部分の転調部分には何度も口ずさみたくなってしまう魅力があった。

3曲目の「くらべられっこ」は悲しい歌詞であり、礼衣(VO.)の歌う息継ぎ部分が泣いている声に聞こえて心が動かされた。また傘を持って登場してきたモデルたちは清楚系、ガーリー系、ストリート系それぞれの服装に身を包み、SPINNZブランドのTPOの幅広さを知ることが出来た。



SNSで話題!心の相談相手になってくれる優しい雰囲気 yama

ソファーに座った状態で呟くように歌うyamaのスタイルは物凄く斬新でありながら、共感する何かを持っている。また芯の太い声でピアニストと向かい合う姿勢で声を出すyamaは誰かに何か気持ちを吐いているような状況とぴったり重なりあう気がした。そしてyamaの身に着けている純白の仮面についてるチャームは美しく輝き、涙のようにも見える。
ステージや雰囲気・歌唱力全てがSNSでヒットする素質を持っているのだと、是非実感してみて欲しい。


「春を告げる」ではモデルたちが蛍光灯を持って歩いており、KBFらしいアースカラー中心の色でまとまっており更なるリアリティを出していた。yamaの歌のパートが終わってもピアノが比較的長く続く部分もエモく印象的になっている。


唯一無二の声とイントネーションがまさに魔法使い ロザリーナ

キングコングの西野亮廣が監督、主演声優が芦田愛菜で有名な期待の映画「えんとつ町のプペル」は友達や人との信頼などをテーマとした感動的なPVに仕上がっていた。
上映は12月25日からスタートするので必見だ。その主題歌を歌うのは近年アニメのエンディングも多く担当しており有名なロザリーナである。
黒い帽子をかぶり、黒いスーツを身に纏いカールさせた髪の毛で登場したロザリーナは魔法使いのようである。また舞台の雰囲気はミニチュアっぽく可愛く演出されており、今にも「えんとつ町のプペル」のキャラクターが現れそうである。透き通る声とハスキーな声の間を持つロザリーナの声には、とても人を元気にさせてくれる力があった。「Hello Hello Hello ハロウィン プペプップー プペル」というユニークなサビの一説はまさに魔法であった。


舞踊界でも注目を浴びそうな服装で登場した加藤ナナは美しく、絵本の世界の雰囲気をさらに表現する。また福山絢水も淑女みたいな服装で登場し、他のモデルにも一つ一つ役が与えられているようだった。小物として持っているランタンも世界観を上手く表現していたように思われる。


ダンディな雰囲気と謙虚な人柄・エピソードがクセになる 茶碗蒸し好きのTENDRE

TENDREのトークが始まった瞬間に、彼の考え方の面白さを味わうことになるだろう。また以前の恋人に酷いことを言われた際に「自分で自分の携帯」を投げたエピソードを話すTENDREに対して、「二人の中にもヒビが入ったんですね」と咄嗟に反応する遠⼭⼤輔の司会も最高である。
スタイリッシュな茶色のスーツに身を包みサングラスをキラリと光らせながら歌うTENDREはそんなおちゃらけたトークから一変してダンディだ。「LIFE」では恐らくそんな彼自身の人生観がクールに描かれているように思われる。また歌の間にそれぞれ紹介を入れる彼の声は少し落ち着いており、謙虚さも伺えた。

最後の曲「DRAMA」ではモデルさんが上からステージを眺めており、階段を下っていく登場方法で面白い。またステージに降り着いたモデルはソファーや椅子などに座り、それぞれ生活感をにおわせた仕草をしておりイメージビデオのようであった。モデルたちが本曲で身に着けたブランド「Ungrid」は大人めでフォーマルにもなるのが特徴的だ。服装には今旬の白いアイライナーもマッチしていた。


感情とスタイリッシュさが特徴の精鋭の現在大学四年生ラッパー Rin音

大学での研究活動とラッパーというハードスケジュールをこなすRin音にはゲーム好きという意外な一面もあった。いつも曲作りをする際はトラック→ラップ→歌詞という順で、感じたものを入れるのが特徴だとか。
Rin音の歌うラップは早口であるにもかかわらず優しい声をしており、歌詞が上手く聴きやすい所が魅力的である。青い模様の入ったシャツとセットアップになっているズボンはラッパー色を見せながらも、歌の雰囲気に似合うスタイリッシュさを出している。曲間に「どんな気持ちでラップを作ったか」を毎回言ってくれるRin音のスタイルは優しく、高校生デビューした際の礼儀正しさをずっと残しているように見える。

三曲目の「earth meal」ではasmiさんも登場し、電話ボックス越しに歌う雰囲気が印象的である。またモデルさんも気づかぬうちに、その電話ボックスの中から現れて驚かされた。「飾らない服」という歌詞にてフォーカスされた鶴嶋乃愛のカジュアルな服装も、歌詞とリンクしていたように思われる。


◎ACTRESS PRESS編集部
・取材:文・井上智尋(慶応義塾大学1年)
・写真:公式提供
©︎smash. NIGHT produced by TGC

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