女優・見上愛(みかみ あい)が、新たな表現のフィールドに足を踏み入れた。
劇場アニメ『ALL YOU NEED IS KILL』で、声優デビューにして初主演。亡くなるたびに同じ朝へと戻る“タイムループ”に囚われた少女・リタという、極めて内面性の強いキャラクターを演じきった。
原作は、桜坂洋によるSF小説『All You Need Is Kill』。本作では視点を大胆に転換し、これまで語られてこなかった“リタの物語”を描く。制作を手がけたのは、日本アニメーション界で独自の存在感を放つSTUDIO4℃。1月9日より全国公開され、1月11日には新宿バルト9で舞台挨拶付き上映会が開催され、見上愛、花江夏樹、秋本賢一郎監督が登壇した。
「声だけで感情を伝える」――初アフレコで直面した壁
満席の劇場に迎えられ登壇した見上愛は、「今日はネタバレもOKということで、いろいろなお話ができたら」と観客に笑顔で呼びかけた。
本作が声優初挑戦となった見上。これまで数々の映像作品で存在感を示してきた彼女だが、アフレコ現場はまったく別世界だったという。
普段は表情だったり、相手の役者さんとの間合いだったり、その場で生まれる空気を使ってお芝居をしているんですけど、今回はもう絵が完成していて。自分の声だけで、リタの感情を表現しなければならなかったので、本当に難しかったです」
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キャラクターの動きや表情はすでに決まっている。俳優として身体全体を使う芝居とは異なり、「声」という一点にすべてを集中させる必要があった。
さらに、声優ならではの“暗黙のルール”にも戸惑ったという。
『え、そうなんだ……!』って。初めてのことばかりで、正直いっぱいいっぱいでした(笑)」
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一方で、自身の経験が活きた場面もあった。
それで『走ってる風の声がうまいね』と言ってもらえることがあったので、今回はそこを武器にしようと思って、全力でハァハァしていました(笑)」
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花江夏樹が語る「見上愛の異常な成長スピード」
リタと運命的に出会う青年・ケイジ役を演じたのは、実力派声優の花江夏樹。見上との共演について、こう語る。
短期間なのに、ものすごいスピードで成長していくのが分かったんです」
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実は収録は3日間にわたり、見上は1日目と3日目を“ひとり録り”で行っていた。
まるでリタがループを重ねて成長していくみたいだなって。個人的に、すごく驚きました」
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この言葉に、見上は「そんなふうに言っていただけて、本当にうれしいです」と照れ笑いを浮かべた。
「全部がすごかった」――先輩声優から受けた衝撃
見上にとって、花江との共演は大きな転機だったという。
花江さんの声って、目をつぶっていても感情が体に入ってくるんです。
『どこから声が出てるんだろう』って思うくらいで、技術だけじゃなくて、心を動かしながら演じていらっしゃるのがすごく伝わってきました」
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その影響はあまりにも大きく、3日目には、1日目に録ったシーンをほぼすべて録り直したという。
気づいたら、『このリタじゃ足りない』と思ってしまっていました」
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監督が語る起用理由「声・佇まい・存在感、そのすべてがリタだった」
秋本賢一郎監督は、見上をリタ役に抜擢した理由をこう明かす。
こんなに“かっこいい”俳優さんがいるんだと衝撃を受けて、ぜひお願いしたいと思いました」
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特に印象的だったのが、リタとケイジが初めて心を通わせるシーン。
ちょっと泣きそうになるくらいで、ただただ見守っていました」
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「生きる希望を感じた」――見上愛がこの作品に託した想い
イベント終盤、最後のメッセージを求められた見上は、少し言葉を選びながら、まっすぐな想いを語った。
今、こういう作品を届けることに意味があると思いますし、
それが自分の声優初挑戦の作品だったことが、ものすごく幸せです」
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そして、観客に向けてこう締めくくった。
できたら、お友達や大切な人を誘って、劇場に足を運んでいただけたらうれしいです」
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女優・見上愛が、声だけで紡いだ“リタの生”。
本作は、彼女自身の挑戦と重なり合いながら、観る者に「何度でも立ち上がる意味」を問いかける。
◎文:ACTRESS PRESS編集部








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