2026年3月26日、次世代を担うアナウンサーを発掘するコンテスト『第6回学生アナウンス大賞』が開催された。
リポート1本目では、グランプリに輝いた佐塚こころさん(国際基督教大学)のスピーチを中心に紹介した。

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リポート2本目では、各賞受賞者からファイナリストまでを一挙に紹介。それぞれが語った“言葉への向き合い方”と、“伝えることへの覚悟”にフォーカスしてリポートする。


司会は、フジテレビアナウンサー・石渡花菜が務めた。
【CanCam賞:嶋崎るり葉】

嶋崎るり葉(関西大学3年)
CanCam賞を受賞した嶋崎さんは、ネイビーのトップスに白のスカートを合わせた上品な装いで登場した。すっきりとした佇まいの中にやわらかさがあり、会場をしっかり見渡しながら話す姿が印象的だった。

スピーチでは、「表面的な情報だけでなく、その奥に隠された本当のこだわりまで伝えられる伝え手になりたい」と、自身の目指す姿をまっすぐに語った。きっかけは、大学2年生の頃に経験したモデルハウスのリポーターの仕事経験。当時は台本通りに進めることに精一杯で、収録後に、窓から入る光の方向や木材の質感といった、家づくりの本当のこだわりを聞き出せなかった悔しさが残ったという。

見えているものだけではなく、その奥にある工夫や思いに光を当てたいという言葉には、リポーター経験者ならではの実感が込められていた。落ち着いた口調の中に誠実さがにじみ、情報の背景まで届けようとする視点の確かさが際立っていた。

CanCam賞のプレゼンターは、CanCam編集部より授与された
20代女性を応援し続けてきたCanCamの立場から、アナウンサーに求められるのは、物事を短い時間で分かりやすく伝え、人の心に届く言葉へと変える力だとコメント。学生たちの今後に大きな期待を寄せた。
【モデルプレス賞:安江 唯】

安江 唯(青山学院大学1年)
モデルプレス賞を受賞した安江さんは、白のブラウスに淡いブルーのスカートを合わせた爽やかな装いで登場した。にこやかな表情が印象的で、話し始めると空気が一気にやわらぎ、会場を明るく包み込むような存在感があった。

自己紹介では、自身の「唯」という名前の由来から語り始め、6歳から10年間所属した児童劇団での経験へと自然につなげた。天使から宇宙人役まで幅広く演じてきた中で、誰かになりきって言葉を届けるのではなく、「安江唯のそのままで」言葉を表現したいと思い、アナウンサーを志したという。話すことが大好きで、これからも自分の声と言葉で人に届く言葉を紡いでいきたいという思いを、明るくテンポよく伝えた。

「めざましテレビの占いが人気者になれるだった」「ラッキーアイテムのタンブラーも持ってきた」といった一言も自然に織り交ぜ、会場の笑顔を引き出した安江さん。親しみやすさと場の空気をつかむ力が際立ち、まさに人を惹きつける華やかさが感じられる発表だった。
【アナトレ賞: 田﨑 芹・中村 俊介】

田﨑 芹(同志社大学2年)
田崎さんは、白を基調としたやわらかな花柄の装いで登場し、落ち着いた雰囲気の中にも親しみやすさを感じさせた。スピーチでは、一言一言をゆっくりとはっきりと届けていたのが印象的で、穏やかな口調でありながら、言葉の芯はぶれなかった。

語ったのは、小学校の閉校という大きな節目の中で、児童会活動の一環として在校生や卒業生に取材し、その内容を校内放送で届けた経験である。放送後、「人とのつながりを感じることができた」「次の学校に向けて新しいステップを頑張りたい」という言葉を受け取り、情報には事実を伝えるだけでなく、人と人をつなぎ、支える力があると実感したという。
その経験をもとに、「人とのつながりを意識し、常にリアルを届けられるアナウンサーになりたい」と語った田崎さん。派手さで押すのではなく、聞く人の心に静かに届くような話し方が魅力で、言葉を丁寧に扱う姿勢そのものが高く評価されたことがうかがえた。

アナトレ賞のプレゼンターは、フジテレビ「アナトレ」チーフプロデューサーの高橋和子氏が務めた。
高橋氏は、学生アナウンス大賞をきっかけに、自分の中にある思いを言葉にして表現してほしいと参加者に呼びかけ、「この経験が将来の夢への第一歩になる」とメッセージを送った。

中村 俊介(同志社大学2年)
中村さんは、黒のスーツを端正に着こなし、落ち着いた表情でマイクの前に立った。堂々とした立ち姿に加え、適度な手ぶりを交えながらまっすぐ前を見て語る姿からは、競技経験に裏打ちされた集中力と安定感が感じられた。
幼い頃から打ち込んできたフィギュアスケートでは、国内大会優勝や海外大会入賞を経験する一方、大きな怪我や大会での失敗も味わってきたという。そうした苦しい時期に、自身を救ってくれたのが、あるアナウンサーから掛けられた言葉だった。ただ結果だけではなく、練習や背景まで取材してくれたからこそ伝わった一言に励まされ、自分も本質や背景まで丁寧に取材し、自分の言葉で伝えられるアナウンサーになりたいと語った。
感情を見せるのではなく、静かな熱量で自分の経験を積み重ねるように語る姿が印象的だった。競技者として挫折も栄光も知る中村さんだからこそ、人の背景に寄り添う伝え方への覚悟が強く伝わるスピーチだった。
【ファイナリスト紹介】
新井沙耶(早稲田大学2年)

淡いブルーのブラウスに白のスカートを合わせた清楚な装いで登場した新井さんは、まっすぐ前を見据えながら、落ち着いて言葉を届けていた。大学で所属する書道パフォーマンスサークルでの経験をもとに、「頑張る人の勇気や想いを届けたい」と語った。学園祭で披露した作品が、後に知人の支えになっていたと知った経験から、自分たちの表現が誰かの日常を支える喜びを実感したという。丁寧でまっすぐな語り口からは、誰かを励ましたいという素直な思いがよく伝わってきた。
益子奏楽(お茶の水女子大学4年)

花柄のワンピースを上品に着こなした益子さんは、終始まっすぐ前を見ながら、落ち着いてスピーチを届けていた。人前で話すことへの苦手意識をきっかけにアナウンサーを志したという率直な言葉には、強い実感が込められていた。一度は採用試験にすべて落ちたものの、大学院進学を決意し、物理の専門性を高めながら伝える力を磨いてきたという歩みも印象的だった。「最強の裏方のアナウンサーになりたい」という表現に、益子さんらしい粘り強さと覚悟がにじみ、会場中の共感を誘った。
長谷山歩佳(慶應義塾大学3年)

淡い色合いのふんわりとしたワンピースがよく似合っていた長谷山さんは、やわらかな雰囲気をまといながらも、芯のある言葉で会場を引き込んだ。7年間続けたバレーボールの経験を通して、結果の裏にある過程を届けられるアナウンサーになりたいと語った。勝敗だけでは語れない努力や日常に価値があったからこそ、背景にある思いまで伝えたいという言葉に説得力があった。視線や表情もやわらかく、誠実に語る姿が印象に残った
中川 友汰(京都大学2年)

中川さんは、明るい表情と大きな手ぶりを交えながら、エンターテインメント性のあるスピーチを展開した。海外21か国を旅した経験の中でも、エジプトの砂漠での一夜と、帰り道に車が砂にはまった出来事を臨場感たっぷりに語り、会場をぐっと引き込んだ。過酷な状況さえ「ワクワクしていた」と笑顔で語る姿は印象的で、最後までメリハリのある話し方が光っていた。「砂漠よりも熱いパッションで全ての方に笑顔を届けます」という締めくくりも、中川さんらしい勢いと魅力に溢れていた。
山本 空(日本大学2年)

山本さんは、穏やかな雰囲気でマイクの前に立ちながら、話し始めると一気に言葉に深みが増し、スピーチのトリにして会場の空気を変えた。「概念は言葉にしなければこの世に存在しないことにされる」という印象的な一節から始まり、言葉を与えることの意味を真摯に語った。災害報道だけでなく、心の傷を抱えながら言葉にできずにいる人に言葉を与えることもまた、命を救うことにつながるという視点は非常に深く、山本さんならではの思索が感じられる発表だった。やわらかな印象と堂々とした語りのギャップが印象的だった。
【感想】
そして、スピーチを聞いているうちに、この舞台に挑戦できなかった自分への悔しさを感じました。
堂々とマイクの前に立ち、自分の夢や思いを言葉にする皆さんの姿は本当にまぶしく、自分ももっと頑張らなければならないと強く感じさせられました。
今回この場で感じた悔しさや憧れをそのままにせず、これからの努力につなげていきたいです。いつか私も、自分の言葉で誰かの心を動かせるようなアナウンサーになれるよう、挑戦を重ねていきたいと思います。
出場者の皆さん、本当にお疲れ様でした。そして、素敵な挑戦を見せていただき、ありがとうございました。
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◎ACTRESS PRESS編集部
◆取材・文:赤平知優(早稲田大学)
◆撮影:仲西一成(Scketto)
◆学生リポーター連載:https://actresspress.com/category/report/









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