舞台「煉獄に笑う」や「戦国BASARA」シリーズの人気舞台演出家・西田大輔の映画監督デビュー作『ONLY SILVER FISH –WATER TANK OF MARY’S ROOM』の初日舞台挨拶が2018年11月24日開催された。西田大輔監督のほか、昨年日テレの連ドラ「男水!」で初主演を飾った松田凌、「Annie」アニー役でデビュー後、宮本亜門演出舞台や大人計画の舞台等に出演している皆本麻帆、ドラマ「弱虫ペダルSeason2」や人気舞台「ライチ☆光クラブ」に出演し、舞台「里見八犬伝」の犬川荘助役としても注目を集めた玉城裕規に加え、先日結婚を発表し京都在住となった菊地美香が登壇。菊地美香は、結婚後初めて公の場への登場で、監督からお祝いの花束が贈られた。
上映後の舞台挨拶に登壇した登壇者は、それぞれ、「満を持して、皆様に見てもらえる時期がきたので、楽しみと緊張感があります」(松田)、「実際に見ていただけたのだと思うとすごく嬉しいですし、これから始まっていくんだな、という気持ちです」(皆本)、「西田さんの脳内の中がどうなっているかというのを具現化した作品だと思うので、この作品がこれからいろんな方々の目に触れていくのだと思います。」(玉城)と挨拶した。
バッグハンガーの女役の菊地美香は、先日、結婚を発表してから初めての公の場となるとアナウンスされると、会場から大きな拍手が!西田監督から、スタッフとキャストを代表してお祝いの花束が贈られた。
菊地美香からは、「無事に嫁ぐことができました。皆様の温かい応援のお蔭です。ありがとうございます。この度主人の仕事の都合で京都に移住したんですけれど、住んでみるととても穏やかで素敵な街で、既にとっても寒いですけれど、二人で力を合わせて頑張ってまいります。ずっと続けてきたお芝居ももちろん続けていきたいので、ちょこちょこ東京には来ることになると思います。ぜひ京都にいらしてください。映画ですが、監督とかも皆さん『難しい、難しい』とおっしゃいますけれど、気軽に『松田君かっこいいな』『麻帆ちゃんかわいいな』とか画がきれいだなとか、それだけで映画を見た感想は十分だと思うので、あまり気負わずに、たくさんの方に見ていただければと思います。」と挨拶した。
舞台演出家の西田大輔は、本作で映画監督デビューを飾ったが、「視点や見えるものだったりとかは、舞台ではできないというものでないといけないと思い、映像でしかできない作品だけを考えて作った作品です」と紹介した。
西田監督は、この映画は、松田凌演じる黒ネクタイの男の想いだけでひっぱろうと思い、意図的に彼の設定は映画の中ではほとんど語らないことにしたとのこと。説明的なシーンが少なく、難しいこの役を、松田凌ならいけると思った松田さんの魅力を聞かれ、「松田凌くんと舞台の仕事を何回かして、彼はこう見えてとても役とお芝居に対する覚悟がある、力がある俳優。何も心配なく、イメージ通りやってくれました」と答えた。松田凌は、西田大輔の映画監督デビュー作の主演を任されたことに関して、「西田大輔初監督作品に白羽の矢を立てていただけたという光栄な部分と責任があったので、全うしなくてはいけないなという覚悟は忘れずにやりました」と話した。
監督のこの映画の構想の始まりは、『最後のユキの表情が撮りたい』ということだったとのことで、ヒロインのユキを演じた皆本麻帆の演技について、「『ああこういう話ね』みたいに思われたくないというところがあって、ラストの1秒でわかる、映画が変わる物語を作りたかったんです。皆本さんは混乱を隠そうともまとめようともせずそのままやってくださったので、作りたかったのはこれだなというのがありました。とても才能のある女優さんなので、これからが楽しみです」と話しました。それを聞いた皆本麻帆は、「役柄と状況と今の自分がリンクしていたのかなと思います。最後、大画面で大きく映らせていただいて、すみません。ありがとうございます」とラストシーンについて意味深に語った。
西田監督は、白ネクタイの男役の玉城裕規に関して、「印象に残る役を書こうというのがありました。彼はMr.ストイックで、皆さんが思っているまんまなので。吸血鬼みたいでしょ?」と言うと、玉城裕規は「吸血鬼ってことじゃないですか!」と突っ込みながらも、「役に関しては、『最初の方は印象に残してなんぼ』じゃないですけれど、西田監督と多少なりと話をさせていただきました。1回『アウトレイジ』っぽすぎると言われました。綺麗な部分だけじゃなく、『アウトレイジ』がいてもいいんじゃないかなとは思っていたんですけれど、その話し合いなども楽しみながら、濃い時間を過ごしました」と真面目に語った。
西田監督は、菊地美香に関しては、「お芝居も上手だし、いい意味で現場をひっぱってくれました。場所を仕切っていくみたいなのは最初からイメージしていたんですけれど、とても上手にやってくださいました。あのラブシーンとかも、誰もやったことがないラブシーンをやりたかったんです。」と、”顎噛み”シーンについて言及。「性癖とかではないんですよ!」と言うと、松田凌が「そうかと思ってました!」と突っ込んで、会場は笑いに包まれた。菊地美香は、「洋館の中で、『ちょっと美香ちゃん。このシーンなんだけど』と呼ばれて、『えっ、私脱がされるの?』と思ったんですけど(笑)、『美香ちゃん、ちょっと顎噛んでくれる?』と言われて。『今まで見たことがないラブシーンを撮りたいんだ』とおっしゃったんで、『なんでもやりますよ』って。山口(大地)くんにはギリギリまで言わないでいたんです。『ボタンを外す』というト書きがあったんですけれど、大地くんはそういうシーンだと思っていたのに、いきなり顎を噛まれて、びっくりしたと思います!」と話すと、監督は、「壁ドンがあって、顎クイがあって、次は顎噛みが流行るかもしれないですよ!」と会場を笑わせた。
撮影中印象的だったことを聞かれ、松田凌は、「洋館の中の撮影が多くて、一度だけとあるシーンで外に行ったんですね。そのシーンの意味合いと重なって、今作の中で印象に残るようなシーンになるんじゃないかと思いました」と回答。菊地美香は、「(休憩時間に仮眠を取っている時に)玉城くんは、目を開いているんですよ!『目が大きいから、目を閉じる瞼がないの?』って聞いたら、そうだと言っていました」と話し、会場中が爆笑した。
本編を見る皆さんに注目してほしいポイントを聞かれ、それぞれ、「照明であったり、画面の中で起きていることに目を凝らして、耳を澄ませていただきたいと思います。演劇ではできないことを、一つの伏線やミスリードとしてちりばめているので、お芝居も含め、今感じた違和感はなんだったんだろうということを皆さんに振り返ってほしいと思います」(松田)、「ラストシーン」(皆本)、「醜い部分がちらほら見えていたので、人間ってものがある種わかったような気がします。作品的にはミステリーですが、それ以外の人間というものを見て欲しいです」(玉城)、「私のラブシーンと屋根裏のシーンです!」(菊地)と答えた。
監督は、すでに見てくださった観客の皆さんに、2回目、3回目の鑑賞時にどのような部分に注目して見てほしいかを聞かれ、「今日パンフレットを読んで初めて、この3人(松田、玉城、菊地)は自分の役の本名を知っていました。そんな映画ないじゃないですか。本作はどういう見方でもいいなと思っています。副題にも注目してみてもらうと、視点も変わるのでいいかなと思います。見透かされたくないなと思っていろんな謎を仕掛けているので、ぜひ2回、3回、4回と見てください」とアピールした。
主演の松田凌から最後に、「いろんな人とこの作品について話し合っていただきたいです。家族でも友人でも恋人でも、2人以上でこの映画を見て話し合っていただけたらと思います。皆さんでこの映画の謎を解いてみてください」とメッセージが送られた。
映画「ONLY SILVER FISH」
<あらすじ>
とある洋館へと集められた男女。彼らの目的は”オンリーシルバーフィッシュ”という一匹の魚だった。その
魚は本当の名を呼ぶことで過去を振り返ることが出来ると言われている。しかし、魚の本当の名前を知ること
が出来るのはただ一人。招待状に則って行われるゲームの勝者だけだという。
最初のゲームは一斉に指をさして脱落者を一人決めるというものだった。
ゲーム開始直前、黒ネクタイの男(松田凌)はユキ(皆本麻帆)が誰を指そうと考えているかを言い当て、
負けるはずだった ・・・・・・・・
ユキを救う。その後も彼女を脱落させないため、誰にも気付かれぬようヒントを与えていく
が、徐々にゲームの歯車は狂い始め…。
黒ネクタイの男は何故ユキが負けることを知っていたのか?
そして彼ら
・ ・
はユキを救うことが出来るのか?
それぞれの過去と想いが暴かれる時、このゲームが開かれた本当の意味を知る。
【出演】
松田凌 皆本麻帆 玉城裕規
高柳明音(SKE48) 伊藤裕一 山口大地 小槙まこ 双松桃子
菊地美香 辻本耕志 中村誠治郎 川本成
【スタッフ】
原作・脚本・監督:西田大輔 音楽:和田俊輔 撮影:根岸憲一
協賛:オリエンタルバイオ 企画・製作:メディアミックス・ジャパン 配給:ベストブレーン
(c)2018「ONLY SILVER FISH」製作委員会
2018年/DCP/ステレオ/86分
▼予告編映像
公式サイト:
www.mmj-pro.co.jp/onlysilverfish
公式Twitter:
@onlysilverfish
<イベント情報>
11月28日(水)18:10の回上映後アフタートーク@シネ・リーブル池袋
登壇者:山口大地、小槙まこ、双松桃子
<チケット販売中!>
詳細は、
https://www.mmj-pro.co.jp/onlysilverfish/news20181128.html
12月2日(日) 9:00の回上映後舞台挨拶@名古屋ミッドランドスクエアシネマ
登壇者:松田凌、高柳明音(SKE48)ほか
<チケット販売>
【PC・スマートフォン】11月27日(火)0:00~(=11月26日(月)24:00~)
詳細は、
https://www.mmj-pro.co.jp/onlysilverfish/news20181202.html
◎ACTRESS PRESS編集部