シンガー・ソングライターの秦基博が2023年2月8日、新宿バルト9で行われた映画『イカロス 片羽の街』(2月11日午後6時よりU―NEXTで独占配信)の舞台挨拶付きプレミアム先行上映会に登壇した。
秦基博の他に映画に出演した小川未祐、菊地姫奈、菅生新樹、和田庵、MCにはフリーアナウンサー青木源太が登壇し、楽曲や作品にまつわるトークショーも行われた。
秦 基博「イカロス」からインスピレーションを受けた喪失と再生を描く物語を3人の映画監督の完全オリジナル脚本によって映画化。秦基博の出身地でもある横浜を舞台に、様々な形の喪失と再生を描く。
児山隆監督「トイレのハナコ」では、県内でも有数の進学高校に通っている主人公の季美と、季美が横浜の街で出会った家出少女ハナコの2人を追う青春の物語。小川未祐と菊地姫奈が主演を務めた。
【舞台挨拶】
秦基博よりは「イカロス」という楽曲に込めた思いを語った。作曲していく過程で、「喪失」をテーマとすることに決めた。作曲を始めた2021年から今にかけての時代の流れや、その中で暮らしている自分がそのテーマを選ぶきっかけになったのだと思う。普段は映画があってそれに合わせて作曲することが多いが、今回は一つの曲から3つの物語が作られたということに驚き、刺激を受け、演じた女優、俳優の息吹を作品の中にすごく感じたと述べた。
小川未祐より「聴いた瞬間、物語が景色として見えて花子への気持ちがパッと生まれた。喪失というテーマ、イカロスという曲が根底にあることで3つの異なる物語でも、愛情や思いは繋がっていると感じた」とコメント。
楽曲「イカロス」について聞かれると「衣装合わせのとき、台本を呼んだうえで聴かせていただき、聴いた瞬間に、脚本の中の物語がぶわ~っと景色として見える実感がありました。聴いた瞬間から、季美のハナコへの気持ちが自分の中でパッと生まれたような感触があったんです」と語り、「喪失というテーマがこの物語を走っているけれど、そのなかで3作ともそれぞれ関係性が異なっていて、でもそこにある愛情や想いというのはどこかで繋がっていて…。それを繋げてくれているのが『イカロス』という楽曲なんだなと思いました。(出演したものだけでなく)3作全てを観てみると、また違う感情が生まれたりもしています」と、作品を観ての感想も述べました。
楽曲「イカロス」について聞かれると「秦基博さんの爽やかな歌声、切ない歌詞、柔らかなメロディーによって胸の奥が熱くなるようでした。聴き終わった後に、なんだか無性に大切な、身近な誰かに会いたくなるような楽曲だと感じました」と淀みなくコメントした。
「中学2年生の頃に『ひまわりの約束』を聴いて秦さんを知って、今でもずっと秦さんの曲が好きで。『イカロス』は、本読みのときに初めて聴いたのですが、(これまで聴いたものとは)また違う系統と言いますか…。最初は喪失というテーマを知らなかったけれど、なにかグッと来る曲、壮大な曲だなと思いました」と感想を述べた。
「僕も本当にもう秦基博さんの大ファンなんですけど。秦さんの曲が作品で流れるって知ったときもすごくうれしかったんですけど、演じた後に『片方しかない翼を引き摺りまた空を見上げている』というフレーズを聴いて、さまざまな主人公がいる中で、それぞれに言えることだなと思って。みんな大切な人を失って、それでも前向きに生きようとしている姿が重なって。感動しました」と熱弁。
今回の映画「イカロス 片羽の街」にちなんで、特別な質問コーナーが行われ、「羽があったらやりたいこと」をテーマに登壇者たちによってトークが繰り広げられた。
小川未祐よりは「天使の映画をつくる。天使の存在が好きなので、自分が主演で映像に残せたらいいな」とコメント。
すかさず秦が「羽がなくても天使みたいですけどね」との答えに、会場全体は笑いに包まれた。
菊池姫奈は「空を飛ぶ」と書いたフリップを見せた。小川より「みんなそこを避けているんだよ」と言われたが、「王道ですけど、空を飛びたいです。私は茨城の田舎の方から上京してきたので、空を飛んだら都会の夜景を見たいなと」と笑いながら話した。
秦基博よりは「リアルピーターパン。ライブとかの演出でフライングあるじゃないですか。一度やってみたいんですよ」と語り、普通ならワイヤーがあるが、羽を使って飛んでいるという演出をやってみたい。ライブではマイクスタンドの前でギターを抱えていることが多いのでなかなかやる機会がないが、羽があったらワイヤーフライングの演出で観客を驚かせたいと観客を盛り上げた。
秦自身がリアルピーターパンをやっているポーズを披露。
最後に、秦基博、俳優陣それぞれが作品に込めた思いについて語った。
今まで自分が気づいていたようで、見ないふりをしていたものに気づかされた。観てくださった皆様も同じような思いを抱くきっかけになったらいいなと思う。イカロスを帰り道に聴きながら余韻に浸ってください。(菊池姫奈)
生きていると、何かを得たり失ったりすると思う。ぽっかりと空いた悲しみの穴に、そっと抱きしめてくれるような気持になれる作品、楽曲だと思う。皆様の心にずっと残り続けてくれたらと思っている。(小川未祐)
イカロスが自分のイメージから楽曲になって、そこから3つの物語が作られる。それを皆様に観ていただけるということが、世界の広がり方とか創作が呼ぶ情景に触れていただけるだけでもうれしい。それを皆様自身の物語に結びつけてもらえたら、作品を生み出した意味になると思う。(秦基博)
【動画】
秦基博、小川未祐、菊池姫奈込のコメントは動画にてご紹介!
【プロフィール】
秦基博
宮崎県生まれ、横浜育ち。
2006年11月シングル「シンクロ」でデビュー。“鋼と硝子で出来た声”と称される歌声と叙情性豊かなソングライティングで注目を集める一方、多彩なライブ活動を展開。2021年11月には「HataMotohiro15th Anniversary LIVE」を横浜アリーナ、大阪城ホールで開催。12月には日本武道館で「HATA MOTOHIRO 15th Anniversary LIVE “Philharmonic Night”」の開催がされた。
OFFICIAL WEB SITE:http://www.office-augusta.com/hata/
Twitter:https://twitter.com/hata_official
小川未祐
2001年生まれ。東京都出身。
2018年より俳優として活動。近年は歌唱やギターなど、音楽活動にも精力的に取り組む。主な出演作として『海辺の金魚』(小川紗良監督)、Huluオリジナルドラマ『息をひそめて』(中川龍太郎監督)、『脳天パラダイス』(山本政志監督)、『よこがお』(深田晃司監督)他
Twitter:https://twitter.com/miyuogawa_
菊地姫奈
2004年10月19日茨城県生まれ。
映画「メイヘムガールズ」やドラマ「消しゴムをくれた女子を好きになった。」などに出演。ミスマガジン2020「ミス週刊少年マガジン賞」を受賞後、数々の雑誌で表紙を飾る。また太陽ホールディングスの広告では宇宙服を着たCMにも出演中
Twitter:https://twitter.com/k_hina_1019
【作品紹介】
「トイレのハナコ」
監督:児山隆
出演者:小川未祐、菊地姫奈、細川洋平、村上寿子、片山友希
県内でも有数の進学校である女子高に通っている主人公の季美は、学校での成績、家庭内の不和など、ありきたりだが重大な思春期の悩みに押しつぶされそうになっていた。そんな日常から逃げ出すようにたどり着いた横浜の街で家出少女ハナコと出会う―。偶然出会った二人の刹那的な青春の物語。
「豚知気人生」
監督:枝優花
出演者:菅生新樹、渋川清彦、安藤玉恵、酒井大成、伊奈聖嵐、本多力、池谷のぶえ
自由奔放、常に家族を振りまわした挙句、突然死んだ父。そんな父を忘れられず霊媒師に頼り、躁鬱を繰り返す母。家族をぶっ壊した父を恨みながら、学校をサボり続ける息子・ツキ。ツキの唯一の友達は河原のホームレスだった。そんなある日、ホームレスからプレゼントされた豚のぬいぐるみに、父が転生してきて…
「十年と永遠」
監督:中川龍太郎
出演者:葵わかな、和田庵、神山慎太郎、佐野大、大杉侑暉、須藤蓮
数学教師の純葉に淡い恋心を寄せる生徒中里。解答用紙の裏に詩を綴ったり詩集を渡すなどして、想いを伝える。しかし純葉の心には十年前に亡くなった恋人の存在があった。中里の存在によって純葉の心は動き出すのか…?
【information】
―秦基博×U-NEXT FILM「イカロス片羽の街」&PREMIUM LIVE「ICARUS」―
2023年2月11日(土)18時よりU-NEXTにて独占ライブ配信
特設サイト:https://t.unext.jp/r/icarus
U-NEXT 秦基博特集ページ:https://video.unext.jp/browse/feature/FET0010807
『イカロス片羽の街』
予告編
特設サイト:https://t.unext.jp/r/icarus
【感想】
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(稲葉聡子)
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◎ACTRESS PRESS編集部
◆文;左~跡邊彩貴(桐朋学園大学)、右~稲葉聡子(専修大学)
◆取材協力:Scketto:https://scketto-fujikoogei.com/audition/
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リポーター記事:https://actresspress.com/category/report/