リーダーの藤沢泉美と共にSAY-LAを活動初期から支え続けてきた”アイドルサイボーグ”こと森のんのが9月27日(日)、品川ザ・グランドホールを舞台に開催されたライブ『I-GET祭@品川ザ・グランドホール 森のんの卒業SP』にて最後のパフォーマンスを披露した。森のんのが、新たなる夢へ踏みだすためにSAY-LAの卒業を発表したのが、6月のこと。その時から、8月に発売した5thシングル「感情リバーシブル」のリリースイベント終了後に卒業公演を行うことを伝えていたが、その日がついにやってきた。この日は、初お披露目となったQnto syrup・HOT DOG CAT・READY TO KISSと、同じ事務所のグループが共演する形で全面サポート。当日の模様を、ここにお伝えしたい。
森のんのにとって、この日がSAY-LAとして最後のステージ。一つ一つの楽曲へ想い出を刻むように、卒業ライブは「MARIA」から幕を開けた。フロア中には、無数のピンクのサイリウムの花が咲いている。揺れるその輝きへ向け、7人は愛らしい歌声を響かせ、共に幸せをつかんでいこうと想いを伝えてきた。明るさを抱いた歌声だが、そこには悲しさを隠すような力強さも滲ませていた。
僕らは、ずーっと森のんのと”こじらせた片思い”を続けてきたのだろうか。だけど、常にときめきを与え続けてくれたからこそ、お応援してきたのも事実。光輝く開放チューンの「こじらせ片想い」を、彼女たちは晴れた笑顔と歌声で届けてゆく。本当なら「君が好きだよ」「俺もー」の掛け合いもしたかった。最後の「俺もー!!」「誰よりもー!!」コールを森のんのに送れなかったのがとても心残りだ。でも、それが永遠の「こじらせ片想い」をしてきた、森のんのとファンとの関係性を示すようで、らしいじゃない。
新しい幸せをつかむために旅立つ森のんのへ、SAY-LAから嬉しい(皮肉な?)エールを送るように歌ったのが、「友達ウェディングベル」。とても華やかな楽曲だ。そのサウンドと彼女たちの歌声に触れていると、ドキドキが膨らんでゆく。「絶対幸せになってね おめでとう」「二人力合わせれば 乗り越えてゆけるはず」の言葉が、これから新しい道へ進む森のんのへの、身近な人たちから送るエールとして響いてきた。途中には、藤沢泉美が歌詞を変え、アドリブで森のんのへ想いの言葉を述べる場面も。メンバーたちの深い絆を持った関係が、とても眩しく見える。歌詞の一節ではないが、「君の人生 節目のとき 立ち会えること とても嬉しい」気持ちだった。
この日のSAY-LAは、これまで共に培った絆を確かめながら、未来へ向かって羽ばたくエールとなる歌を、森のんのへの「卒業へ向けた言葉」変わりにセレクトしていた。
メンバーが大きくタオルを振りまわし歌ったのが、「YES, 肯定ペンギン」。自分らしさを信じて進み続けて。その姿を仲間たちはずっと応援し続けているからと、メンバーたちが森のんのへ想いを伝えるように歌っていた。森のんのも、ツインテールの髪をなびかせ「YES!」と歌唱。その姿が、とても愛らしい。たとえ不器用な生き方でもいい、共に夢を見ながらその姿を支え続けてきた仲間たちは、これからもずっと近くにいる。だから、自分らしい姿で進み続けて。そう伝えるように力強く歌う姿へ、フロアを埋めつくした観客たちも熱い想いを重ねながら、手にしたピンクのサイリウムを大きく振っていた。
ワクワクした気持ちが沸き上がる。SAY-LAは「星に願いを」を通し、旅立つ気持ちを、歌を通してふたたび後押ししてゆく。キラキラとした楽曲に乗せ、これまでの後悔さえ懐かしさと前へ進む糧に変えながら、彼女たちは「ホントはわかっている 踏み出さなきゃ何も変えられない」と歌いだす。少し涙ぐみながら歌う森のんの。それでも必死に笑顔を浮かべながら、彼女は「気持ち伝える勇気を少しください」と歌っていた。
「一人でも大丈夫?」と旅立つ森のんのへ向け優しく背中を押すように、華やかな音色に乗せてSAY-LAが届けたのが「ずるいよ」。甘えた素振りで、ファンたちへ「ずるいよ」と歌う彼女たち。7人に、気持ちを一つ「ずるいよ」と歌われると、こちらまでいじらしい気持ちになる。涙をしまいながら精一杯笑顔で歌う彼女たちの姿を見ながら、身体は疼きながらも、胸はキュッとしめつけられていた。
SAY-LAは、「明日世界が終わっても自分らしくいたい」と「BELIEVE」を歌唱。「いつでも心に輝きを持って 自分の居場所を探していこう」の言葉が、森のんのへの旅立ちのエールとしてはもちろん。メンバー自身や、彼女の最後の姿を瞼に焼き付けようとこの会場に足を運んだ一人一人にも、心に響く励ましの声として響いていた。この歌は、何時だって胸の中へ閉まっておきたい自分に勇気をくれる最高のエールソング。「いつでも心に誇りを持って 未来に向かって踏みだして行こう」という言葉を、森のんのはもちろん。誰もが、自分に言い聞かせるように受け止めていた。
最後にSAY-LAが届けたのが、「I LOVE YOU」。ファンたちは声を出せない変わりに、手にしたピンクのサイリウムを大きく振り上げ、森のんのへ、SAY-LAへ、伝えたい声や笑顔を送っていた。独り占めしたいあの笑顔をずっと瞼に焼き付けようと想いを届けていた。
最初から最後まで、新しい未来を描こうと旅立つ森のんのへ向けた歌を並べた、この日のライブ。それが、卒業をする仲間への気持ちとして。何時も胸に輝かせ身につけていて欲しい心の宝石として。言葉にして伝えきれない想いを、彼女たちは歌に込め、最高の「卒業の言葉」に変えながら、ファンたちと一緒にこの時間を大切に抱きしめていた。
最後は、I-GET所属の全メンバー、さらにサンリオピューロランドより卒業を祝いにやってきたシナモンロールも招き入れ、I-GETオールスターズ/ゲスト:シナモンロールとして「WE ARE ALL ONE」を、森のんのをセンターに大合唱。ときに、愛らしく踊るシナモンロールと戯れながら、最後の最後まで「気持ちは一つだよ 僕らは心でつながっている」とみんなで歌いながら、卒業する森のんのへ向け、共に歩んだ絆は途切れることはないから、また会おうねと、最高の卒業の言葉を贈っていった。
最後に、メンバーから森のんのへ向けた言葉。そして、森のんの自身の卒業の答辞を記す。
【加藤まいからのコメント】
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【七聖真祐からのコメント】
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【星奈さなからのコメント】
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【咲山しほからのコメント】
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【沙藤まなかからのコメント】
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【藤沢泉美からのコメント】
のんのちゃんも次の道をちゃんと自分で切り開いて進んでいくことはすごく勇気のいることだと追うし、これから先すごく大変だと思うんだけど。心強い仲間と一緒にSAY-LAは頑張っていくから、のんのちゃんもこの先も頑張ってください。ずっと応援しています。テレビに出たら、あの子と同じグループだったと自慢するくらいになって欲しいし、逆に然りだし。そういう関係でこれからもずっといれたらいいなと思ってるから、これからも一緒に頑張りましょう。
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【森のんのからのコメント】
アイドルサイボーグではなくなってしまうし、ライブをする機会はないのかなぁとも思いますけど。でも、「みんなを笑顔にしたい」という根本は、どんな活動をしていても変わりません。なので,みんなが自慢できる活動をこれからもしていきます。もしかしたらツインテールとのギャップでびっくりさせてしまうこともあるかも知れません。アイドルサイボーグじゃなくて森のんのという一人の女性として、もっと芯の部分も表現していけたらいいなと思っています。アイドルとしての人生をI-GETで、SAY-LAとて活動できて良かったです。みんなが大好きです。SAY-LAとして活動したのは5年半ですけど、こんなに応援していただいて幸せでした。この先もね、わたしも、SAY-LAのメンバーもI-GETのメンバーみんなも、ファンのみんなも未来が続いていくので、その先でまた会えたらいいなぁ。そのときに成長した姿を見せれるようにわたしも頑張ります。
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PHOTO:本間裕介
TEXT:長澤智典