資生堂が5日、世界88の国と地域で展開する「SHISEIDO」の全面的なブランドイノベーションを2016年1月より推進することを発表した。
資生堂は“日本発のグローバルマーケティングカンパニー”の実現に向け、2014年12月に中長期戦略「VISION 2020」を策定し、ブランド価値の再構築に取り組んでいるが、「SHISEIDO」はその中核を担うブランドと位置付けている。「SHISEIDO」は、誕生時から最先端のテクノロジーとアートを融合させながら利用者の「内なる美」をひきだしてきたが、今回のブランドイノベーションでは「美しさは世界をよりよくする力である」という信念のもと、「共感」をキーワードにお客さまとのコミュニケーションを刷新し、顧客接点のさらなる拡大を目指す。
世界中の利用者との間に「共感」を生み出すため、商品や宣伝ビジュアル、モデル、店頭カウンター、ブランドロゴなどのコミュニケーションを、2016年1月より順次刷新していく。デザイン制作にあたっては、「SHISEIDO」が根底にもつ「コンテンポラリージャパン」の要素をグローバルな視点で表現するため、ニューヨークとパリのデザイン界で活躍し、多くのデザイン賞を受賞するなど、グローバルプレステージ市場での多様なバックグラウンドを持つRuba Abu-Nimah(ルバ・アブ=ニマ)が、「SHISEIDO」のクリエイティブ・ディレクターとして採用された。
ブランドロゴも新しいストーリーと新しい未来づくりの一環としてリニューアルし、「GINZA」と「TOKYO」を加え、“日本発の世界ブランド”としてのアピール力を高めていく。
モデルは、“内なる美しさ”を体現する、エニコ・ミハリック、イマーン・ハーン、エイジア・チャウの3人が採用された。世界各国の女性から”共感”を生み出すことを狙っての起用だ。多様な美しさを応援する力強いメッセージを表現していく。
Ruba Abu-Nimah(ルバ・アブ=ニマ)=クリエイティブ・ディレクターによると、今までのビジュアルは商品が中心だったが、今後は叙情的な表現も加えていく方針で、3人のモデルには商品が自分達に与えている価値を表現してもらうことを狙ったようだ。モデルビジュアルの撮影は、世界的に活躍するフォトグラファー、Mario Sorrenti(マリオ・ソレンティ)が務めた。
「SHISEIDO」の店頭カウンターも刷新する。「現代の一期一会」をテーマに、日本の美的感覚を表現すること、そしてソーシャルの時代に生きるお客さまにふさわしい「おもてなし」のスタイルをつくることを狙う。壁をなくして、360度どこからも入店できるようにする。
また、お客さまとの出会いやお客さま同士の待ち合わせの目印ともなる花椿を模したアイコン、様々なニーズやシーンに合わせてブランド体験ができ、居心地よく感じていただけるソーシャルテーブル(カウンセリングテーブル)、商品への好奇心を刺激し、手に取りやすい機能的なテスターを配置。カウンターのデザインは、白色をベースに赤のラインを施した色づかいで、現代的なミニマリズムと豊かさ、温かさを併せ持たせる。
また、「SHISEIDO」の商品の役割が、利用者によりわかりやすく伝わるよう、「Defend」(守る)、「Regenerate」(再生力を高める)、「Reveal」(美しく見せる)、「Express」(引き出す)という4つのアプローチを新たに定義。肌の美しさを守る(Defend)「アルティミューン」(2014年9月発売)と、肌そのものを美しく見せる(Reveal)新ファンデーション(2016年3月以降、世界で順次発売)からスタートし、今後新たな商品を展開していく。今後の世界展開が楽しみだ。
◎情報提供:株式会社資生堂