わーすた坂元葉月、ファンに感謝! 全力のラストライブで笑顔の卒業。<リポート②> 【Reporter:青木千聖・川崎未来】

わーすた坂元葉月卒業ライブ(2021年12月25日、中野サンプラザにて)

2021年12月25日、中野サンプラザにて「わーすた坂元葉月卒業ライブ『The World Standard』」が開催された。

メンバーカラーに彩られた映像とともに、この日に卒業する坂元葉月が、一人ずつ”5人の最強の魔法少女”わーすたのメンバー紹介を読み上げる。

「頼れるリーダー、廣川奈々聖」「才色兼備な三品瑠香」「天然マイペース、小玉梨々華」「天真爛漫、松田美里」。そして、「圧倒的アイドル、坂元葉月」。
6年半の軌跡と、この5人での最後のライブの幕が上がった。

わーすた坂元葉月卒業ライブ(2021年12月25日、中野サンプラザにて)

序盤から”必殺技シリーズ3部作”「うるとらみらくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ」「くらえ!必殺!ねこパンチ★〜私達、戦うにゃこたん」「メラにゃイザー!!!!! 〜君に、あ・げ・う♪〜」で一気に客席の熱が上がる。

松田美里、坂元葉月、廣川奈々聖、小玉梨々華、三品瑠香/わーすた坂元葉月卒業ライブ(2021年12月25日、中野サンプラザにて)

左から、松田美里、坂元葉月、廣川奈々聖、小玉梨々華、三品瑠香

小玉と松田はMCで、坂元が考えた自分たちのキャッチフレーズ「天然マイペース」「天真爛漫」に対し、ボーカル2人の「頼れるリーダー」「才色兼備」が羨ましかったようで、チャーミングなリアクションをしながら嫉妬する。
久しぶりに披露するという「完全なるアイドル」のタイトルコールとともに沸く客席。ステージは一転、赤いライティングに包まれる。続く「Love Unmelt」では、廣川・三品の伸びやかな歌声と、メンバー5人による力強いハーモニーが響き渡った。

わーすた坂元葉月卒業ライブ(2021年12月25日、中野サンプラザにて)

5周年の白黒衣装をリメイクしたという衣装に着替えて再登場すると、「グレープフルーツムーン」から、そのまま坂元・松田・小玉による3人ユニットタイムに。3曲を歌い終わると、袖から自称”「やーだー」TO(トップオタ)“の三品と廣川が登場。世界一「やーだー」を再生していると自負する三品が、振りコピを披露する一幕も。

坂元の描き下ろしによるイラストに彩られた8曲のメドレーに続き、ストリート生時代から大切にしている楽曲「キミ恋てれぱしー」では、メンバーのストリート生時代の懐かしい映像が流れ、客席からはすすり泣く音が聞こえ始めた。

卒業を発表した坂元の映像が終わると、このライブが初披露となる花柄の衣装でメンバーが登場。
「四季ドロップス」の歌詞にある”ずっと一緒では生きていけないからこそ 一瞬一瞬を確かめるように歌ってゆこう”という言葉の通り、今の一瞬が永遠の思い出となるように歌を届けた。
「春花火」の”背筋を精一杯伸ばしているキミ”が、もともと人前で自分を出すことが得意ではなかった坂元が成長していく姿と重なる。それを”そっと照らしている”メンバー。三品の”キミに幸あれ”のフレーズに涙が溢れた。彼女たちは、キミのいないこの”場所”で、来年もその先も咲いていくのだろう。

ステージいっぱいの紗幕が降りるとそれぞれのメンバーカラーに照らされながら「いまはむかし」を歌い上げる。色分けされたメンバーカラーの中で、イエローだけが他の色に混ざっていく。小玉がソロパートで感極まり、声を詰まらせてしまうと、他の4人が歌声で小玉を支え、この5人の強い絆を感じさせた。

「Doki Doki♡today」から始まったメドレーパートの最後は、わーすたの代表曲とも言える「いぬねこ。青春真っ盛り」で締める。デビューから何度も何度もパフォーマンスしてきたこの曲も、このメンバーでは最後なんだと、たくさんの思い出がよみがえった。

「ちいさな ちいさな」では、これまでお世話になってきた家族や大切な人たちを思い浮かべながら歌い、スクリーンに映される一つ一つの言葉が心にしみた。

わーすた坂元葉月卒業ライブ(2021年12月25日、中野サンプラザにて)

坂元がどうしても歌いたかったという「清濁あわせていただくにゃー」を歌い終わると、会場に集まったファンのみなさんと5人の最後の記念撮影。サプライズで客席がイエローに染まり、ひまわり畑のような美しい光景が広がった。

そして、年齢の若い三品から順番に、坂元への手紙を読み上げる。
三品「葉月には葉月にしか作れない空気があって、そこはあまりにも心地良くって、とても救われてたんだなって、今さら気づきました。どこでも生きていけるような根性があると思ってるけど、頑張りすぎてしまわないかだけが心配です。オススメのマンガが出てきたら押し付けたいので借りてあげてください。しっかり頑張るから安心して見守っていてほしいです。大好き」

小玉「初めて会ったのは2013年で、年齢も性格も住んでる場所も何もかも違うのに、すぐに仲良くなれて嬉しかったことを今でも覚えています。わーすたになるメンバーの名前を聞いたとき、『葉月と一緒だー!』って知って、本当に嬉しかったし、心強かったです。ポジティブな言葉をくれた葉月に何度も救われました。何年一緒にいても新しい一面を見せてくれる葉月をとても尊敬しています。これからは今までと違う困難があると思うけど、もし何かあれば全力で助けに行くし、私はこれからもずっと葉月の味方です。一人で頑張りすぎちゃうところがあるけど、自分のことを一番に考えて、自分を一番幸せにしてあげてください。葉月と一緒に活動できたことを誇りに思います」

松田「葉月にとって最後のライブはどうでしたか?(坂元:楽しかったです)あまりにも長い時間を一緒に過ごせたから、来年から葉月がいないのが想像できないし、まだ信じたくない気持ちもあったりしたけど、このライブを作っていて『卒業するんだな』って実感しました。葉月らしく笑っていられる、楽しくて刺激的な毎日だといいなって心から願っています。ひまわりみたいな笑顔で笑ってくれる葉月が、ずっと大好きです。変わらず笑っていてください。葉月がいなくなってもしっかり頑張るから、心配しないで見ていてください。坂元葉月は、圧倒的アイドルで、最強のアイドルでした」

廣川「葉月の卒業の話を聞いてから、みんなといるときも気丈に振る舞ってたけど、見える世界がモノクロに見えるくらい葉月がいなくなることは私にとって衝撃的な出来事で、葉月の決断を受け入れるにも時間がかかったと思います。ごめんね。先輩後輩とか気にしなくていいって言うから、身長とかイジっちゃうんだけど(笑)、でも、やっぱりずっと先輩で、葉月自身は自覚してないかもだけど、いつもみんなの背中を優しく押すように、そして振り返りながら走ってくれる人でした。ちょっとはいいリーダーできてたかな?自分を犠牲にしてまでも人に優しさをあげられる人に、私はまだ葉月しか出会ったことがないです。勝手な想像だけど、葉月は、わーすただったから今までアイドルを続けてくれたのかなって思ってます。本音を言っていいなら、この先も一緒に迎えたかったなって思うけど、いつ卒業することになっても同じこと言ってるんだろうなって思います。葉月といられた時間、全部が宝物だよ。本当に本当にありがとう」

手紙を読み終えると、一人ずつ坂元と抱き合った。

わーすた坂元葉月卒業ライブ(2021年12月25日、中野サンプラザにて)

最後に、涙を堪えながら坂元が手紙を読み上げる。
「このメンバーじゃなかったら、今日まで続けられてなかったと思います」「奈々聖ちゃん、リーダーとして引っ張ってくれてありがとう。奈々聖のためなら葉月は飛んでいきます」「どこにいてもどんなときもみんなも笑わせてくれる美里は大事な存在です。美里の素敵なところいっぱいあるから自信を持ってみんなを笑顔にしてください」「梨々華ちゃん、いつも一緒にいてくれてありがとう。一緒に泣いたこともありましたね。自分を信じて突き進んでください。梨々華なら絶対大丈夫!」「瑠香ちゃんは十分頑張ってるよ。大丈夫。これからも楽しい努力をたくさんしてください」と一人一人にメッセージを送り、「みんなと今日このステージに立てて嬉しいです」と締めくくった。

わーすた坂元葉月卒業ライブ(2021年12月25日、中野サンプラザにて)

わーしっぷ(わーすたファンの愛称)のみなさんへ。

「みなさんがいなければ、今日このステージに立てていません。わーすたを好きになってくれて本当にありがとうございます。わーすたとしては約6年半、アイドルとしては約10年間。今日まで全力を尽くしてきました。酸いも甘いもいろいろなことを経験させていただきました。挫けそうになった時、ステージに立つとそこには笑顔で、全力で応援してくださるみなさんがいて、何度もパワーをもらいました。本当にありがとうございます。今、私の居場所はわーすたです。わーすたを離れて一人になるのは少し不安ですが、応援してくださったみなさんのことを思い出して、一歩ずつ自分のペースで歩んでいきたいと思います。私にはみなさんがいるから大丈夫です。そして、これからもわーすたの応援をよろしくお願いします。わーすた坂元葉月」

わーすた坂元葉月卒業ライブ(2021年12月25日、中野サンプラザにて)

坂元「次に歌う曲が、5人で歌う最後の曲になります。聞いてください」

涙をグッと抑えながら「詠み人知らずの青春歌」を全力パフォーマンス。
金テープが舞い、客席はイエローのペンライトで埋め尽くされた。

わーすた坂元葉月卒業ライブ(2021年12月25日、中野サンプラザにて)

メンバーが袖に捌けると、坂元だけがステージに残り、
「最初は人前に立つのもすごく苦手だったんですけど、みなさんに出会えたお陰でこうしてたくさんの方に見ていただけて、すごく嬉しいです。アイドルになれて、わーすたに入れて、本当に良かったです。みなさん本当にありがとうございました。坂元葉月でした。みんな大好きです!」とラストメッセージを送った。

終演後、笑顔に包まれた会場では、ファンからの感謝と感動の拍手がいつまでも鳴り止まなかった。

【セットリスト】

M0. Overture
M1. プロローグ・うるとらみらくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ
M2. くらえ!必殺!ねこパンチ★〜私達、戦うにゃこたん
M3. メラにゃイザー!!!!! 〜君に、あ・げ・う♪〜
M4. 完全なるアイドル
M5. Love Unmelt
M6. グレープフルーツムーン
M7. べちょべちょパンケーキ?
M8. メドレー1:やーだー
メドレー2:にこにこハンブンコ
M9. メドレー1:ゆうめいに、にゃりたい。
メドレー2:スイカ割り
メドレー3:大志を抱け!カルビアンビシャス!
メドレー4:アンバランス・アンサーズ
メドレー5:恋するにゃこたん
メドレー6:Do on Do 〜坊ちゃんいっしょに踊りゃんせ〜
メドレー7:ぐるトレ
メドレー8:タピオカミルクティー
M10. キミ恋てれぱしー
M11. 四季ドロップス
M12. 暮れないハート
M13. 春花火
M14. いまはむかし
M15. ヨ・キエロ・ビビール
M16.  Magical Word
M17. メドレー1:Doki Doki♡today
メドレー2:らんらん・時代
メドレー3:Zili Zili Love
メドレー4:ワンダフル・ワールド
メドレー5:いぬねこ。青春真っ盛り
M18. ちいさな ちいさな(2020Ver)
M19. 清濁あわせていただくにゃー
M20. 詠み人知らずの青春歌

【わーすた プロフィール】

エイベックスの「iDOL Street」デビュー候補生から選抜された廣川奈々聖、小玉梨々華、三品瑠香、松田美里、坂元葉月の5名によるグループ。 わーすたは「The World Standard (世界標準)」の略称。

2017年の台湾での海外定期ライブ「WASUTA LAND W1」を皮切りに、これまでに11ヵ国でライブを行っている。同年7月、フランス・パリで開催された「JAPAN EXPO 2017」に日本のアイドル代表として出演。
2018年1月、「JAPAN EXPO Thailand 2018」に出演。同年7月にはスペインのイベント出演に伴い、主催のスペインの人気兄弟Duo「Adexe&Nau」と異例コラボ作品「ヨ・キエロ・ビビール」を制作。わーすたのYouTube再生回数では最高の400万回再生を記録した。
2019年には北米最大規模のアニメ、ジャパンカルチャー見本市「Anime North 2019」にゲストアーティストとして出演した。取材は外国語で対応するなどグローバルな活躍を見せている。
2021年3月、7thシングル「春花火」を発売し、オリコンウィークリー6位にランクイン。同月、オリジナルファンションブランド「whimtet(フィムテット)」の立ち上げを発表。
8月、同年2枚目のリリースとなる8thシングル「詠み人知らずの青春歌」を発売。
11月には、わーすた3冊目となる写真集「わーすた旅行記」を徳間書店より発売。
12月25日に開催された「わーすた坂元葉月卒業ライブ『The World Standard』(中野サンプラザ)」にて、坂元葉月が卒業した。

青木千聖(上智大学)川崎未来(東京農業大学)ACTRESS PRESS編集部のREPORTER(リポーター)

◎ACTRESS PRESS編集部
・取材・文:左~青木千聖(上智大学)、右~川崎未来(東京農業大学)
・写真:アーティスト写真はオフシャル提供
・コーディネート:Scketto:https://twitter.com/scketto1

Scketto(スケット)は、アナウンサー・マスコミ・エンタメ業界に就職を目指す大学生が記者・リポーターで参加するプロジェクト。アクトレスプレス編集部にて20219年9月より連載スタートして記者会見、イベント取材、カフェリポートなど2021年度だけでも100本以上の記事連載中。
https://actresspress.com/category/report/

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