水川あさみ、毒舌鬼嫁役で女優主演賞!〈第75回毎日映画コンクール表彰式〉 【Reporter:荒川麗・塩野由宇夏】

表彰式に登壇した (左から)蒔田彩珠、森山未來、梶芽衣子、水川あさみ(第75回毎日映画コンクール表彰式)

2021年2月17日、『第75回毎日映画コンクール』の表彰式がめぐろパーシモンホールで開催され、2020年の映画界を彩った受賞者が喜びを語りました。

毎日映画コンクール

【毎日映画コンクール】

1946年、日本の映画産業の振興に寄与し、国民に映画の楽しさを広く伝えることを目的に、毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社によって創設された国内最高峰の映画賞。
演技、作品はもちろん、撮影や美術、録音などのスタッフ、日本映画を代表する名女優田中絹代の名を冠する賞など、幅広い部門を設けていることが特徴です。
各賞は、第一線で活躍中の映画評論家やジャーナリスト、専門家など約80人が選考に関わり、毎日映画コンクールはその歴史と伝統とともに、選考の厳正公明さによっても映画業界から高い評価を得ています。

【主演賞(女優)】

主演賞(女優)水川あさみ

女優主演賞は、『喜劇 愛妻物語』(足立紳監督)でダメ夫を罵倒しながらも、家族を支える鬼嫁「チカ」を演じた水川あさみさんが受賞。

水川あさみ

水川あさみ

トロフィーを手に登壇した水川さんは「映画は公開してお客様の手に渡ってしまうと、寂しい気持ちに、旅立っていくような気持ちになるのですが、このように賞をいただけると作品と長く関わることができて、こんなに嬉しい気持ちになるんだなと噛みしめています」と喜びのスピーチ。

水川あさみ

水川あさみ

「(ダメ夫役を演じた)岳くんや監督など、すごく個性的な方々が集まって作品ができました。本当に皆さんに感謝しています」と作品に携わった方々への感謝の想いを語りました。

「チカ」という登場人物については「運命的な出会いで、一生忘れることのないような特別な役になりました」と振り返った水川さん。一方で、常にハイテンションな演技を求められたことについては「太らなければならない役だったので、エネルギーを消費させるにはちょうど良かった」と語り、会場が笑いに包まれました。

(左から)司会の生島ヒロシ、水川あさみ

(左から)司会の生島ヒロシ、水川あさみ

同作で毒舌な”鬼嫁”を演じた水川さん。
司会の生島ヒロシさんから「映画のあのノリは普段からやっている感じですか?」と問われると「いや、あれは役なので…普段の私とはちょっと違います」と笑顔を見せました。
また、今回の受賞について、夫で俳優の窪田正孝さんの反応を聞かれると「とても喜んでくれていました」と照れながらも明かしていました。
そして最後には「またいつかこの場所に立ちたい。そのために日々精進し、しなやかに味わいある俳優になっていけるよう頑張りたいと思います」と今後の抱負を語りました。

トロフィーを手にする水川あさみさん

トロフィーを手にする水川あさみ

【主演賞(男優)】

森山未來

森山未來

男優主演賞は、『アンダードッグ』(武正晴監督)で、元日本ランク1位からアンダードッグ(かませ犬)に落ちぶれながらも、戦うことに熱中する男「末永」を演じた森山未來さんが受賞。

コロナ禍で延期や撮影の中断を余儀なくされる作品もある中、昨年11月に公開(撮影は昨年1月~2月)することができた同作について、「コロナの時期をある意味、免れて公開にこぎ着けられた。運が良かった」と撮影を振り返りながら語りました。
最多となる4部門で賞を受賞したことについては「関わっていただいた皆様、来てくださった観客の皆様、選んでくださった皆様。本当に感謝しております」とコメント。
また、共演した水川あさみさん、宇野祥平さんがそれぞれ別の作品で賞を受賞したことについて祝福すると共に、栄誉ある舞台でのお二人との再会を喜ばれていました。

【受賞者一覧】

第75回毎日映画コンクール受賞者

第75回毎日映画コンクール受賞者

左から
スポニチグランプリ新人賞(男優):上村侑
助演賞(女優):蒔田彩珠
主演賞(男優):森山未來
日本映画優秀賞:「アンダードッグ」武正晴監督
日本映画大賞:「MOTHER マザー」大森立嗣監督
田中絹代賞:梶芽衣子
主演賞(女優):水川あさみ
助演賞(男優):宇野祥平
スポニチグランプリ新人賞(女性):佳山明

第75回毎日映画コンクール全登壇者
全登壇者

公式サイト
https://mainichi.jp/mfa/

【動画】

2020年、コロナ禍により苦しい状況に追い込まれた映画界。その中でも、素晴らしい作品を世の中に発信していこうと力を注がれた受賞者の方々からは、大きな”映画への愛”を強く感じました。映画は私たちの生活を彩ってくれるものだと感じています。今年はどのような作品と出会うことができるのか、楽しみです。(荒川)

2020年の映画界はコロナ禍ということで大きな影響を受けたものの、公開作品は506本とピーク時を超える本数。どんな状況でも、映画という存在が常に私たちに笑顔を届けてくれているのだと感じました。今年で75回目という伝統と歴史あるコンクールを取材することができ、映画の素晴らしさを再認識するとともに、2021年の映画界への期待が高まりました。(塩野)

左~荒川麗・右~塩野由宇夏

左~荒川麗・右~塩野由宇夏

◎ACTRESS PRESS編集部
・取材・文:荒川麗・塩野由宇夏(日本大学芸術学部3年)
・撮影:仲西一成(scketto)
<リポータープロジェクト>
https://twitter.com/scketto1

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