総務省「異能(Inno)vation」のプログラム授賞式「OPEN異能vation2021」が、2021年12月15日に東京・日比谷ミッドタウンにて開催。世界中の審査員や受賞者、ネットワーク拠点も映像を通じてリアルタイムで参加した。また、会場内には過去の受賞作品を多数展示し、実際に体験できるブースも設置された。
【異能(Inno)vationとは】
ICT分野において破壊的なイノベーションを生み出すために、「変わった事を考え、実行する人(通称「へんな人」)」の挑戦を支援するプログラムである。ここでは異能同士が交流し掛け合わさることで、さらなる独創的発想が生まれる環境を提供する。そして、のびのびとした環境で、日本の新たな未来を共に創ることを目的としている。
「異能(Inno)vation」のロゴは、書家・石川渓雨氏によるもの。独創性があり、力強く伸びやかな書体は、まさにこのプログラムを象徴している。
ロゴを担当した書家 師範・石川渓雨
本年度から、業界を牽引する異能のトップランナーとして、スプツニ子!がプログラムアンバサダーに就任。当日は映像による中継での出演となった。
新たにプログラムアンバサダーを務めるスプツニ子!
スプツニ子!氏は、「男女、国籍、バックグラウンド関係なく色々な人が異能vationで発掘され、応援されていくことを進めていきたい」と熱い想いを述べ、男性が多いICT分野に女性もどんどん進出していくことで、女性ならではの視点からアイデアやサービスなどのイノベーションが生まれるのではないかと感じた。
実際に、本年度の受賞作品の中にも「従来の香水の5倍の持続時間があるフレグランス『ロドピス』(眞室 里香)」という作品があり、香りを楽しむ女性の一人として、大きな期待を感じずにはいられなかった。
「異能(Inno)vation推進大使」を務め、自身も様々なクリエイティブの場で活躍している芸人・プロデューサーの古坂大魔王が、軽快なトークで授賞式を盛り上げた。
昨年に引き続き4年連続で推進大使を務める古坂大魔王
「不可能を不可能と思わない人、そんな人こそが異能」と、”芸人”の領域を大きく広げ、世界で活躍する自身の異能ぶりも感じさせ、「結局みんな面白いことが好き。官僚でも大臣でもお金持ちでも、老若男女関係なく面白ければ動く。その面白さを追求していく先にイノベーションがあると思う」というメッセージは、世界を経験した古坂大魔王が肌で感じた言葉なのだろう。
総務副大臣・中西祐介
中西祐介総務副大臣は、「ポストコロナ時代における大きな変革を見据えながら、破壊的なイノベーションをいかに起こすかが今後のテーマです。今は変わった人だと思われても、次の時代に適合し新しい変化に挑戦していくことが今後求められていくと思います」と、コロナ禍における社会環境変化を的確に捉え、それをまたポジティブなかたちで新しいイノベーションに転換していくことの重要性と可能性を述べた。
TikTok Japanゼネラルマネージャー・佐藤陽一
TikTokのゼネラルマネージャーとして、国内外のデジタルのプラットフォームを牽引している佐藤陽一氏は、「新しいものが当たり前に生まれる環境に身を置くことがイノベーションに繋がる。何か表現しないと人に見えるものにならないので人に見える形で一歩踏み出して欲しいと思います」と語り、誰もがソーシャルメディアなどを通じて簡単に自己発信できるようになったからこそ、「勇気を出してアイデアを表現していかないと埋もれてしまう」ということに改めて気づかされた。TikTokで何気ない動画がバズるように、日常に潜む些細な面白さを発信していくことに可能性を感じた。
プログラムの創始者でもある、元総務大臣・新藤義孝
自身の総務大臣時代に「異能(Inno)vation」をスタートさせた、プログラムの創始者でもある新藤義孝氏は、「世の中には世界を変える天才が沢山いる。その天才がチャンスを得られるようにみんなで支えていきたい」と、まだ見ぬ世界中の異能との出会いにも積極的にアプローチしていく熱い気持ちを伝えた。
内閣府特命担当(地方創生 少子化対策 男女共同参画)大臣・野田聖子
元総務大臣で内閣府特命担当大臣などを歴任する野田聖子氏は、「今破壊的だと思っても数年後には当たり前になる世の中を作りたい。イノベーションはやり続けることが大事」と、この「異能(Inno)vation」で発掘された才能や技術が、現実の商品やサービスとして活かされ、それが社会生活の中に新しい光として溶け込んでいくという、希望に溢れる未来が想像できる強いメッセージを発信した。
【取材感想】
この「OPEN異能vation2021」では、変な人を変な人で終わらせず共に革新を起こそうという熱意が感じられた。今まで考えもつかなかったアイデアに触れることで自分の発想の幅が広がったと同時に、未来への期待が膨らみ楽しみが増えた。一人一人バックグラウンドが違う分、面白いと思うものやそこから生まれるアイデアは無限にある。これからは女性もどんどんICT分野に参入し、多様な視点から今までにないアイデアが沢山登場すると思う。想像もつかないような面白い未来が待っていると思うととてもワクワクした。
私も普段の生活の中で面白いと感じたものを、惜しまず共有・発信していきたい。また、これからの日本を担う若者の1人として、日本の未来はどうありたいのかを考えていきたい。(山本)
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◎ACTRESS PRESS編集部
・取材・文:山本理々香(筑波大学)
・コーディネート:Scketto:https://twitter.com/scketto1
Scketto(スケット)は、アナウンサー・マスコミ・エンタメ業界に就職を目指す大学生が記者・リポーターで参加するプロジェクト。アクトレスプレス編集部にて20219年9月より連載スタートして記者会見、イベント取材、カフェリポートなど2021年度だけでも100本以上の記事連載中。
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