乃木坂46出身で活躍の場を広げている生駒里奈(いこま りな)が、芸歴60年のミュージカル女優・前田美波里と共に、舞台『西の魔女が死んだ』に出演する。本作は、1994年の単行本の発売から永遠のベストセラーとして読み継がれている梨木香歩の小説をリーディングドラマとして生まれ変わらせたもの。台本・演出は、笹部博司。
6月の舞台を前に、初共演となる二人が東京都内で舞台のビジュアル撮影が敢行された。
白いシャツとスカートにベージュのエプロン、麦わら帽子という衣装を身に着けた前田と、白いシャツとジーンズ姿の生駒。ともにナチュラルな笑顔で撮影に応じた二人は、さながら本当の祖母と孫のよう。
二人でポーズをとりながら、その距離はぐんと縮まったように見えた。
撮影後、生駒里奈が前田美波里と共に取材に応じた。
この日が初対面となった二人。
緊張する生駒里奈に前田美波里は、「朗読は里奈ちゃんのほうが先輩。いろいろ教えてね」「これまで自分の魅力は踊って歌うことだと思い込んでいた。朗読の誘いがあっても断ってきた」と語る。
今回初挑戦する気になったのは「この作品が自分と重なるところがたくさんあったから」だそう。
前田の息子である真木蔵人の娘、つまり孫の教科書にも載っていたという『西の魔女が死んだ』は、イギリス人の祖母を持つ「まい」という少女が、中学生になったとたん学校に行けなくなったことで、祖母の元で一か月余りを過ごす時間を通して、祖母と孫の交流を描いた物語。前田は「自分がおばあちゃん子だったことを思い出しました」と語る。
乃木坂46 でセンターを務めていた生駒里奈は、秋田で幼少期を過ごしていたが、小学 5 年のときに壮絶ないじめを経験した。「ある日突然、昨日まで仲良くしていた友だちから無視されるようになって…」
ロッカーの荷物が床に散乱するなどいじめはエスカレート。生駒の居場所は図書館となり、ファンタジーを読んで自分の世界に没頭する日々が続いたという。「今にして思えば、ダンスを習っていたり、少し目立っていた私が目障りだったのかな」と語る。
その経験が今回の「まい」を演じるにあたって、感情移入に役立っている。「学校に行けないまいちゃんの気持ちはわかります。私は母親を悲しませたくなくて、学校へは毎日行ったけれど、自分の感情を消して過ごしていましたから…」と明かした。
公演のビジュアルを彩るのは、葉っぱ切り絵作家リトの作品。発達障害を公表しているリトも生きにくさを抱えた日々を経験、ようやく「葉っぱ切り絵」に自身の居場所を見つけたという。
葉っぱが伝える小さくて大きなストーリーを目の当たりにした二人は、初めて見る葉っぱ切り絵に、
「細か~い!」と興奮状態。「触るのが怖いほど繊細な作品ですが、『西の魔女が死んだ』の世界観を伝えている気がする」と話す。
舞台で流れる音楽を演奏するのは、ヴァイオリニスト髙木凜々子。両親ともにヴァイオリニストという家庭で育ち、幼少期からその実力を認められていた彼女は、愛くるしい素顔で世界のファンを魅了している。彼女の奏でる曲とともに、この作品がどのような世界を紡いでいくのか、興味は尽きない。
台本・演出の笹部も「70 代半ばにしてまだまだ発展途上の前田美波里と、女優という居場所を探り当てつつある生駒里奈。お二人のチャレンジにぜひ立ち会っていただきたい」と話している。
リーディングドラマ 西の魔女が死んだ は6月上演!
・6 月 25 日(火)~27 日(木)東京 草月ホール
・6 月 29 日(土)秋田(生駒里奈出身地)由利本荘市文化交流館カダーレ
◎ACTRESS PRESS編集部
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