【松井玲奈 インタビュー】主演映画『緑のざわめき』公開直前!見どころ明かす!

松井玲奈『緑のざわめき』 ACTRESS PRESS

女優の松井玲奈(まつい れな)主演の映画『緑のざわめき』の公開が迫ってきた。松井玲奈が”女優を辞め、東京から生まれ故郷のある九州に移住しようと福岡にやってくる主人公・小山田響子を演じる注目の作品で、9月1日より全国順次公開となる。8月6日にACTRESS PRESSにて取材に伺った完成披露舞台挨拶では、撮影地の佐賀がすっかり気に入っていることを明かしていた松井玲奈。公開直前の本日、松井玲奈へのインタビューを公開。本作の見どころや、共演者について、演技について等、語った。

松井玲奈『緑のざわめき』 ACTRESS PRESS

【松井玲奈 インタビュー】

Q. 脚本を読んだ時の感想はいかがでしたか?

ちょっと人間模様が複雑なお話だなと思ったんですけれど、夏都監督に、「人と人との関わりの物語であって、ファミリーツリーだったり葉っぱの葉脈のイメージがこの作品にはあって、関わり方・ありようが木々の葉みたいに色んなところにあるけれども繋がっている、それが3姉妹の繋がりにも影響してくる」というお話を聞いた時に、自分の中でも腑に落ちるところがありました。

実は最初に頂いた脚本が、4時間分ぐらいの、『ロード・オブ・ザ・リング』みたいな、読めども読めども終わらない超大作だったんです。けれど、ある意味削ぎ落としていない監督が一番やりたいことを先に提示して頂いたお蔭で、映画では描かれていないそれぞれのキャラクターのバックボーンを事前に知ることができました。役の情報が全て織り込まれていたのですが、その中でも監督が特に描きたくて表現したい部分が今の脚本になって作品になりました。最初の稿は、ほぼ資料でした。(笑)


Q. 響子役を演じるにあたり、何を大事に演じましたか?

響子は、お父さんがいなくなっていて片親で、病気を患っていて、女優を辞めたのですが、私には家族がいるし、病気にもかかっていないし、女優の仕事も続けられているし、と並べた時に真逆だったので、それをわかったつもりになったらダメだなと思いました。彼女に寄り添うつもりで、友達の話をしっかり聞くみたいな気持ちで頂いた資料や脚本を読み込む中で、どういう表現ができるかということを第一に考えていました。それでもやっぱり全ては理解ができないからこそ岡崎さんと倉島さんと一緒にお芝居をして、彼女たちが役として乗っかってきた時に、響子として出てきた気持ちを大切にして、その時に初めて「彼女はこういう気持ちだったんだ」と気付ける瞬間を大切にしながら演じていました。


松井玲奈・岡崎紗絵 『緑のざわめき』

Q. 岡崎紗絵さんとの共演はいかがでしたか?

岡崎さんは、初めて会った時から前のめりというくらい「玲奈さんのことを教えてください!」みたいな、「菜穂子がいる!」と感じるくらいぐいぐいきてくれました。


松井玲奈・岡崎紗絵 『緑のざわめき』

Q. 倉島颯良さんとの共演はいかがでしたか?

倉島さんとは本が好きという共通点があったので、お互いに今読んでいる本や好きな本を共有し合うというのが、ある意味姉妹でもあり得そうな関わり方だなと思っていて、撮影の待ち時間が嬉しかったです。彼女が待機場の畳の上で寝ているのを見ていると、すごく微笑ましい気持ちになりました。


倉島颯良 & 松井玲奈 『緑のざわめき』

Q. 黒沢あすかさんとの共演はいかがでしたか?

黒沢さんもすごく強い想いを持ってこの作品に臨んでくださったというのを、クランクアップの時に知りました。「年齢を重ねていっている自分にこういう大切な役を任せてくれた監督に感謝しています」と涙しながら語ってくださって、その想いはお芝居から伝わってきていました。姉妹に関わってくる大事な役を演じることができて嬉しかったというお話をして頂きました。撮影中、黒沢さんには、包容力みたいなものがずっとあったんです。そこに甘えていた部分があったのですが、それが腑に落ちました。完成した映画を見て、黒沢さんと一緒に演じたシーンも大切な場面になっているなと思いました。

松井玲奈『緑のざわめき』 ACTRESS PRESS

Q. 佐賀での撮影はいかがでしたか?

緑が多いところや田んぼの中や茶畑などのロケ地に行って、監督がこのタイトルをつけた理由だったり、緑の多いところで撮影したいと言っていた理由がわかった気がしています。響子が生まれ育った場所でもあるので、彼女のこれまでの人生のことを感じることができて良かったなと思います。響子の実家も、趣があって、時間が刻まれている感じがすごく良かったです。


Q. 完成した映画を観ていかがでしたか?

撮っている間は場面場面で起きていることを感じるのに精一杯だったんですけれど、完成して繋がったものを観た時に初めて夏都監督が何を表現したかったかが明確に見えた気がしています。引きのカットが多い作品なんですけれど、だからこそ、監督が一番伝えたいことになると、登場人物のクロースアップが増えるんです。そのメリハリが面白いなと思いました。


Q. 本作の見どころはどこだと思いますか?

人と人との関わり方というのが、複雑ではあるんだけれども、繋がった時に人が生きていくことの難しさと美しさというものがこの作品の中で描かれている気がします。人と人同士が繋がった瞬間をぜひ見ていただきたいと思います。


Q. 読者にメッセージをお願いします。

一度だけでなく、二度三度観るととても面白い映画だと思っています。それは、「二度三度観て欲しいです」ということではなくて、とても考察し甲斐がある作品だと思うからです。謎の部分が多かったり、登場人物一人一人の表情にしても、なぜこの時こういう顔をしていたのか、それがどこに繋がってくるのか、過去に何があったんだろう、ということが、考えれば考えるほど面白い作品だと思っています。なので、一度観て、作品の大枠を知った上で、二度三度観ると、作品をよりよく知ることができたり、描きたかったことの本質をさらに深く知ることができるんじゃないかと思います。


福岡、佐賀を舞台に、3 人の異母姉妹が織りなす物語、映画『緑のざわめき』は、いよいよ9月1日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷(東京)ほかにて順次全国公開!

▼予告編映像

映画『緑のざわめき』

第18回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門に正式出品された、福岡、佐賀を舞台に、3人の異母姉妹が織りなす物語を描いた『緑のざわめき』。本作は、新鋭・夏都愛未監督(『浜辺のゲーム』)が、大江健三郎や中上健次の文學にインスパイアされ、葉脈と血の繋がり、ファミリーツリー、性と聖の繋がりをテーマに描くオリジナル作品。3人の異母姉妹に、元カレ、女子会メンバーらが交わり、物語は思いもよらない方向へと進んでいく…

女優を辞め、東京から生まれ故郷のある九州に移住しようと福岡にやってくる主人公・小山田響子役で、主演映画『よだかの片想い』や、 NHK大河ドラマ「どうする家康」でのお万役でも存在感を示した松井玲奈が出演。響子の異母妹であり、彼女をストーカーする菜穂子役を、『mellow』でヒロインを演じた岡崎紗絵、同じく響子の異母妹で佐賀の集落に暮らす少女・杏奈役を、オムニバス映画『21世紀の女の子』でも夏都とタッグを組んだ倉島颯良が演じる。
その他、響子の元カレ・宗太郎にダンス&ボーカルユニット「ONE N’ ONLY」のRAP&ダンサーの草川直弥、菜穂子の友人・絵里に『忌怪島/きかいじま』での熱演も記憶に新しい川添野愛、響子の親友・保奈美に『蒲田前奏曲』の松林うらら、杏奈に思いを寄せる透に『草の響き』の林裕太、村に住む長老にカトウシンスケ、杏奈の伯母・芙美子に黒沢あすか等、フレッシュな若手や実力派が集結した。

◎ACTRESS PRESS編集部

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