2024年2月13日(火)に女子大生アイドルコピーダンス日本一決定戦『UNIDOL 2023-24 Winter 決勝戦/敗者復活戦』が『KT Zepp Yokohama』にて開催された。
会場では、全国から応援に集まった観客のコールやペンライトの色統一への声掛けが響き、会場は一体となり、熱く盛り上がった。
決勝戦は、全国5大都市(東京・大阪・名古屋・福岡・札幌)で行われ61大学72チームによる予選を勝ち抜いた15チームに加え、同日開催の敗者復活戦を勝ち抜いた2チームが出場し、観客投票(会場、オンライン)+審査員投票の合計により順位が決められる。
各チームが想いをかけた熱意のあるパフォーマンスを披露した。
【優勝:星空パレット(関西学院大学)】
見事優勝を勝ち取ったのは、前回大会で準優勝した関西学院大学「星空パレット」 (ほしぞらぱれっと)。
星空パレットは、2019年3月13日に結成されたチームで、コンセプトは「個性を生かし常に新しさを追求する、目を離させないグループ」。今大会で、関東圏以外の大学から出場するチームとして初となる全国の頂きを手にした。
披露したのは、「12月のカンガルー(SKE48)」、「Mew(ジエメイ)」、「季節は君を見捨てない(群青の世界)」、「閃光Believer(ベイビーレイズJAPAN)」の4曲。季節をテーマに組まれたセットリストで、寒い冬を超え、春を迎える様子を見事に表現した。
「12月のカンガルー」のイントロでは、“最高に熱い冬をお届けします!”のかけ声で観客を一気に巻き込み、会場を星空パレットの空気感にした。大人数での複雑なフォーメーションを綺麗に揃えつつ、表情や表現でメンバーそれぞれの個性が表われていて、飽きないパフォーマンスを魅せる。
わちゃわちゃ感のある可愛い振り付けと、サビの一糸乱れぬ踊りが印象的だ。
続いて、「Mew」を7人で力強く踊る。歌詞のメッセージも相まって、念願の優勝への強い気持ちを感じられた。「季節は君を見捨てない」では、丁寧に音に当てはめたダンスが揃って迫力を生み、観客を魅了した。
華麗な衣装チェンジで、冬らしい結晶模様などの清楚な衣装からピンクを基調にした可愛らしい衣装へ。「閃光Believer」に入る。ここでは、ダイナミックなフォーメーションチェンジを繰り返し、より会場を巻き込むパワーあふれるパフォーマンスを魅せた。持ち時間ギリギリまで、星空パレットの魅力を最大限出すような、完成度の高いステージとなった。
表彰式では「今この場所で、地方(関東圏以外)初の優勝をするという星空パレットの夢が叶いました。本当にありがとうございます。嘘みたいで、まだ信じられないくらいです。去年の今頃は自分たちの戦い方ではダメなのかと心が折れそうにもなりましたが、自分たちの戦い方を貫いて、優勝することができて嬉しいです。」と語った。
大会後には、3期生、ビビッと!ピンク担当・ちいちゃんが優勝した心境を語った。
“正直、去年は予選でも勝てなかったり、優勝がすごく遠いものに思えた時期もあったんですけど、今こうして優勝をいただけて、まだ実感が湧いていないですけど、本当に夢のような気持ちで、嬉しいです。嬉しい以外の言葉が出てこないくらい、嬉しくて嬉しくて。”
4期生の黄色担当・みよりは、大会で心に残ったことについて、“メンバー同士で優勝に対する気持ちを語り合った時間”と話し、“みんなで3時間くらい話し合って気持ちを一つにすることができた時間があったことがわたしの中で一番心に残っています。気持ちを一つにした時間があったから、アクシデントとかがあったり、不安な気持ちがあっても、みんなで支え合ってここまで来れたなと思います。”とコメントした。
星空パレットは、音響のアクシデントがあり2度パフォーマンスを披露することになった。その中でも、優勝に向けた気持ちがチームの中で固まっていたからこそ、会場を再度惹きつける演技になったようである。
2度目のパフォーマンスをする際の気持ちは、“演出とか構成とかも1回やってしまっているから、伝えきれない部分とかもあるんじゃないかっていう不安もあったんですけど、このピンチをチャスに変えられるのは星空パレットしかいないって言って、2回目でも、1回目よりよかったって思ってもらえるようにがんばろうという気持ちでがんばりました。”と語った。“終わったことは仕方ないから、2回目やっても優勝できる星空パレットってすごいなって思ってもらえるような演技をするしかないって言いました。”とメンバー同士で前向きな気持ちに切り替えて臨んだようである。
ステージ上での思いについて聞かれると、“ほしパレ(星空パレット)らしい、ユニドルらしいって思ってほしいと一番思っていた”とコメント。“星空パレットって綺麗に踊る、美しいフォーメーションとかが得意ではなくて、メンバーの中身の良さとか、このメンバーだからできるわちゃわちゃ感とか、たのしさみたいなものでお客さんを巻き込むことが得意なので、そういったお客さんを巻き込む力でお客さんを笑顔にできたらいいなと思ってステージに立っていました。”と、個性が豊かなメンバーの強みを活かした観客への思いを語った。実際に、豊かな表現で会場を巻き込んだ星空パレットのパフォーマンスは観客の心を掴んでいた。
応援してくれた方へメッセージ(4期生、ほしパレッド担当あずみ)
“ここまで来れたのは、本当にずっと応援してくださったみなさんのおかげです。星空パレットがずっと勝てなかった期間とかは、わたしたちは皆さんのことをがっかりさせてしまったんじゃないかっていう風にずっと考えて、わたしたちも苦しい気持ちだったんですけど、今こうしてみなさんに恩返しできたんじゃないかなと思っています。これからも、星空パレットのことをよろしくお願いいたします。”
【準優勝・やっぱりまかろん。(同志社大学) 】
準優勝は同じ関西エリアから、やっぱりまかろん。(同志社大学)が受賞し関西チームが1位2位を独占する形になった。
1曲目には「最高かよ (HKT48) 」を披露。ユニドル随一のエンターテインメント集団とだけあって始めから観客と目を合わせながら作り出すステージを見せ決勝中盤での出場ながら観客を惹きこんだ。
2曲目には「どうしても君が好きだ (AKB48) 」を披露。2023年に開催されたTIF×FRUITS ZIPPERステージでアイドル愛が強いあまり号泣した姿が話題になったメンバーのゆいは本家センター本田仁美をオマージュした金髪姿で強弱あるダンスパフォーマンスを披露。
最後は「秘密のティアラとジェラート(放課後プリンセス)」を披露。衣装転換後はシンデレラのようなブルーのドレスに身を包み、舞踏会という今大会コンセプトと一夜限りのアイドルというユニドルのコンセプトを合わせた儚いステージを魅せた。
セットリストを通して華やかさから儚さまでもっていく舞踏会コンセプトの表現性の高さと、観客を飽きさせない間での衣装チェンジで8分間を余すことなく使い切り楽しませるエンターテインメント性はSNSでも視聴者から高い評価が見られた。
昨年の冬大会でも準優勝に輝き2年連続の冬大会準優勝となったやっぱりまかろん。は名前が呼ばれた直後、悔しい気持ちからか喜ぶ様子はなく体を寄せ合いあと一歩が届かない結果を受け止める姿が印象的だった。
コメントでは「地方初の1位を目指していたので、、」と言葉を詰まらせるシーンがありながらも会場や配信で応援してくれた観客への感謝を述べた。
【3位・夏目坂46(早稲田大学)】
昨年の冬大会で初の優勝に輝き2年連続の冬大会優勝を目指した夏目坂46は3位に輝いた。
名前が呼ばれると観客からは驚きの声があがり、1曲目にセンターを務め今大会がラストとなるメンバーのなつめを中心に悔し涙を見せるなど優勝への気持ちの強さからすぐに結果を受け止めきれない様子だった。
1曲目には「何を後悔するのか(STU48)」を披露。チュール生地のスカートをターンと共になびかせる様子やサビでの腕の角度など14人と大人数ながらも舞台を大きく使った息のあったパフォーマンスを見せた。
続いて「五月雨よ(櫻坂46)」ではしなやかなダンスや表情管理を見せた。前年大会の優勝メンバーが少ないながらも新人戦ともいえるFresh大会で優勝した実力を証明するグループ層の厚さを感じさせた。
3曲目の「この空は続いている(手羽先センセーション)」前には暗転しながら音に合わせて衣装チェンジを行った。「五月雨よ(櫻坂46)」の雨模様が明け、虹が出てきた様子を感じさせるメンバーごとに違うカラーの衣装を披露。
前半2曲とは違い半数の人数でハイテンポなダンスを踊り違った雰囲気を見せた姿もここでは印象的だった。映像にはここまでのメンバーの活動の様子が映し出され、前回表彰台を逃しリベンジに燃える彼女たちの思いの強さがうかがえた。
最後は「僕たちは空を見る(ラストアイドル)」を披露。曲中では中央に集まった瞬間、再びブルーの衣装に衣装チェンジを行い、空を軸にした衣装や構成力の高さを見せ審査員評価では2位に輝いた。
ベストエレガンス賞やベストドレッサー賞を受賞し、受賞数では断トツの1位となりチームの歴史としては浅くもSNSを中心に活発な活動を続けユニドルを代表するチームの一つになった夏目坂46。SNS人気が高く公式SNSからの結果に驚くファンも毎大会増えていく中で、もう一度観客と共に喜びを噛み締められるか今後さらに注目が高まる。
【Juice=Juice】
シークレットゲストして8年ぶりに登場したJuice=Juice。
パフォーマンス前には煽りPVが先に映し出されると登場前に彼女たちの出演を確信したユニドルメンバーからは大きな歓声と悲鳴があがった。
1曲目の「プライド・プライド」のイントロが集まると会場のボルテージは一気に上がり、パフォーマンス終わりのチームも急いで席に駆け付けるなど観客を釘付けにした。
その後もMC無しでWonderful World (2023 10th Juice Ver.)などフルサイズパフォーマンス4曲を披露。シークレットゲストしてアウェーな状況ながら徐々に会場で大きなクラップが鳴り始めるなどステージを惹き込みステージを後にした。
授賞式終了後には、囲み取材も行われた。
イベント後に行われた囲み取材でステージの感想を求められると段原瑠々からは「出る前は『どんな風なステージなんだろう』とすごい緊張とドキドキソワソワでいたんですけど、煽りVが始まってからどんどんJuice=Juiceかもみたいに気付いて下さって、どんどん歓声が大きくなる感じもすごく嬉しかったし、迎え入れてくださった環境がとっても嬉しかったです」と熱気の上がり具合や一体感をメンバーも感じた様子だった。
また実際にグループ楽曲の多くがユニドルチームのセットリストに使われることからパフォーマンス向上の秘訣を聞かれると「先生から教えていただいて踊るという事はあるんですけど自分で家で覚えてきてみんなで合わせるということも結構あるので、細かい何本指を立てるのかみたいな所とかを合わせるのが、私は結構細かい所まで合わせるのが好きでそういうのをみんなで言えるような環境はいいと思います」と切磋琢磨して高め合うことの大切さを語った
<注目グループ>
パフォーマンスで気になったグループを3組ご紹介。
【ねむの木に片想い(札幌医科大学)】
1組目
今大会、敗者復活戦2位で決勝戦に参加した、札幌医科大学の「ねむの木に片想い」
2018年に坂道グループを愛するチームとして誕生したチームで、コンセプトは「誰からも愛される“王道かわいい”」である。2022年には北海道予選2連覇を果たし、現在大きく成長中の注目グループである。
敗者復活戦で披露したのは、「静寂の暴力」(櫻坂46)、「僕が手を叩く方へ」(乃木坂46)の2曲。ダンス経験者は1人しかいない中、審査員票1位の圧巻のパフォーマンスで決勝戦への切符を手にした。
決勝戦では、衣装も楽曲も全て変え「Jump Into the new World」(Liella!)、「決戦スピリット」(高嶺のなでしこ)、「満開サクライロ」(手羽先センセーション)の3曲を披露。敗者復活戦とは違った想いをセットリストにのせて表現する姿に魅了された。
4人でステージを広く使う迫力のあるフォーメーションや表情の表現の広さ、細部までそろったダンスに会場が引き込まれていくような圧巻のパフォーマンスであった。
【chocolat lumiere(明治大学)】
2組目
駒澤大学のユニドルmimi chocolatの活動休止を経て、思いを受け継ぎながらも大切に強くしていきたいという思いで結成されたchocolat lumiere。王道可愛いをコンセプトに前回大会では見事に優勝に輝き、今回は1、2年生のみで出場という新たな挑戦を決めた。
多くのチームが3、4年生を中心にチームをまとめていく中でディフェンディングチャンピオンとして追われる立場ながらも、「ラストノートしか知らない」(=LOVE)では髪色まで寄せ儚いパフォーマンスを見せながら、アンジュルムの最新曲「RED LINE」では暗転しながら力強いパフォーマンスを披露するなど個性溢れるステージを披露した。
一度優勝を掴みながらも大会毎に変化をし続けるchocolat lumiereの今後の更なる飛躍にユニドルファンとして注目したい。
【オープイニングパフォーマンス】
3組目
決勝戦のオープニングでは、UNIDOL出場者から構成された オープニングパフォーマンスユニットが明治大学放送研究会協力のもと制作された今大会のPV曲でステージパフォーマンスを披露した。普段は共演する機会が少ないユニドル強豪チームのエースコラボに会場やSNSでは「ドリームユニット過ぎる」と絶賛の声が上がった。
りな(成城彼女/成城大学) 、ちぃまる(Prismile/早稲田大学) 、こころ(さよならモラトリアム/慶應義塾大学) 、あやめ(chocolat lumière/明治大学) 、ゆきんこ(夏目坂46/早稲田大学)
衣装はchocolat lumiereの元パフォーマーみなるんによるこの日のためのオリジナル衣装となっており、各チームやメンバーの雰囲気に合わせてスカート丈や胸元のデザインがあしらわれた。8分間で3着に着替えるチームや、瞬時の衣装チェンジが一般化するなど年々レベルが上がっていくステージ衣装も彼女達が自ら制作に携わっているため各チームの細部にわたるレベルの高さを感じることもできた。
【受賞結果】
準優勝: やっぱりまかろん。(同志社大学)
第3位: 夏目坂46(早稲田大学)ベストパフォーマンス賞:さよならモラトリアム(慶應義塾大学)
ベストエレガンス賞:夏目坂46(早稲田大学)
ベストドレッサー賞:夏目坂46(早稲田大学)
ベストエモーショナル賞:na-nam(明治大学)
ベストルーキー賞:claVa puella(K大学)
ベストフェアプレー賞:HELLO DOLL.(北翔大学)
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公式HP:http://unidol.jp/
公式X:https://twitter.com/UNIDOL_EXCO
【リポーター感想】
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◎ACTRESS PRESS編集部
◆取材:文:遠藤葵(法政大学)、はせいあい(青山学院大学)
◆撮影:仲西一成(scketto)、はせいあい、公式提供
◆リポーター記事:https://actresspress.com/category/report/
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